2022

50歳になる年の春

私たちは久しぶりに集まった

依然としてマスクは着用しているもののコロナの感染防止の規制も少しづつ緩和され始め、久々の飲み会だった

宅飲みならではの解放感でお酒も進み、女4人のおしゃべりはとまらない

そしてそのバックミュージックは高校時代好きだった男闘呼組

YouTubeで見知らぬ誰かのプレイリストをエンドレスに流し続けていた

もしもいつか男闘呼組のライブがあったなら、そのときはみんなで行こう、なんて酔っ払って盛り上がり解散した

ワンチャンYouTubeでコラボとかはあるかもしれないが、

「ライブ」なんて、、、

叶うはずのない約束をした

そう思っていた

まさかその3ヶ月後

テレビで男闘呼組の姿を見る日がくるとは

レーザー光線の中に現れた4人に

体中が震えた

私はずっと好きだったんだ

ずっと会いたかったんだ

涙が一気に溢れてきた

でも、諦めていた

男闘呼組として当時の曲を聴ける日がくるなんて、ましてやテレビで4人揃った姿を見るなんて絶対にないと思っていたから

素敵に歳を重ねた姿に変わらぬ歌声

生きていたらこんな素敵な事が起こるんだと、本当に嬉しかった

そして2023年春

みんなで話した日からちょうど一年

私たち4人は約束通りライブに参戦した

2階席

メンバーの顔を見るにはちょっと遠いけれど、沢山のファンが喜び、泣き、歌い、踊り熱狂している姿が見えた

みんな私たちと同じ

奇跡のような時間に酔いしれていた

活動休止したあの当時、もし

今のようにSNSがあったなら

きっとこれ程までに復活に熱狂する事はなかったかもしれない

彼らの復活に

私たちは自分のこれまでを思い返し

男闘呼組のいなかった

空白の時間と

それぞれの時間を想像し

胸が熱くなるのだ

まもなく50になるという私の人生に、こんなに心が震える瞬間があるなん想像もしていなかった

決して大袈裟ではなく

生きていてよかった

心の底から

そしてこの限られた一年をともに目一杯楽しんだ

ありがとう

大好き

そしてこれからも