『恋空』、感想
注意:相当長いよ。暇なときに読みましょう。 あとmixiと内容は同じです。
『恋空』を読み終わったので感想を書きたいと思います。
昨日書くつもりでしたが、すいません。今日になってしまいました。思いのほか長かったためです。上巻347ページ、下巻364ページもあったのでね。
単に、「つまらんかった」「スイーツ(笑)」で終わらせたくないのできちんと書きます。というか、私は「スイーツ(笑)」という表記があまり好きではありません。「スイーツ(笑)」というフレーズを使っている時点でどっちもどっちだと思うからです。
話がそれました。では、参りましょうか。
1、「~ね。」という箇所が多いね
この言い回し、どこかで聞き覚えありませんかね?見覚え、読み覚えではないんですね。実はこれ、浜崎あゆみの曲の詩に大量に出てくるフレーズなんですね。この作品の中にも頻繁に登場しますね。また、「?」、つまり疑問形もよく出てきますね。これも浜崎あゆみの曲も同様なんですね。おそらく、作者の美嘉さんはあゆを
リスペクトしてるんでしょうね。で、インスパイヤ”も”したというわけでしょうね。実際、作品の中に浜崎あゆみの『Who...』が出てきますからね。
注1:確かに浜崎あゆみさん以外でも「~ね」は多用しますがね。
注2:中国人の日本語じゃありませんからね。←不適切な表現であることを謝罪しますね
2、1行ごと改行
だからページ数が膨大になるのです。
メモ帳と揶揄されている原因はここにあります。
いちいち改行している理由は、もともと携帯電話を媒介としていたからでしょう。
個人的には読みやすさよりもスクロールするのが面倒なので、このような書き方は嫌いです。
そう思いません?
3、体言どめの連発
小学生でも書ける体言どめ。それをさもレトリックかのごとく多用させる作者、美嘉。なんて稚拙な表現。サブタイトルが「~切ナイ恋物語~」と、作者が自分で作品の趣旨を要約。読者の想像力をも奪う作者、美嘉。末恐ろしい作家(素人)。
4、伏線がへたくそ
例、(下巻の帯より)
美嘉が最後に見上げた恋空は!?
衝撃的な結末があなたを待っています。
厳密に言えば伏線とは言いがたい例かもしれませんが、一番分かりやすい例なのでご了承ください。”衝撃的な結末”と言われて皆さんは何をご想像になりますか。『恋空』に限らず、この”衝撃的な結末”ってたいてい「死」「病気」「別離」を指します。頻度は、死>病気>別離 といったところでしょうか。いわゆる”感動
もの”のラストって所詮こんなもんです。ただし、バラエティーにおける”衝撃的な結末”はこれにあてはまりませんが。
ここで言いたいのは、伏線が分かりやすいということ。頭の悪い読者にとっては優しい心遣いのように受けとめられますが、ふつうの人間にとっては、これほど馬鹿にした表記はありません。伏線って、たいていは読み飛ばしてしまうようなものだと思うんですがね。『恋空』に出てくる”伏線”は「伏線」とは呼べず、「展開を
提示」しているようなものなんですね。こいつはひどい。
5、主人公、美嘉がアホ
まず、高1で「流産」の意味を知りません。ちなみに彼氏のヒロくんも知りません。常識ですよね。
美嘉が仲の良かった女の子2人から無視されて、はぶられる場面があるのですが、そこへクラスのとある3人組が美嘉を呼び止めて仲間に入れてあげるシーンがあります。しかし、美嘉にはその意味が分かりません。彼女が謙遜しているわけじゃないんですよ。彼女、相当鈍いですよね。というか、鈍いどころじゃないですよね。
可愛そうだから仲間に入れてあげたという優しい心遣いが汲み取れないのです。
美嘉が大学に入ってまもなく、両親が離婚の危機を迎える場面があります。どうやら父親の会社が危ない状態らしく、今住んでいる家から引っ越さなければなりません。父親と母親は毎晩喧嘩が絶えません。家族の写真は真っ二つに引き裂かれるなど、険悪なムードです。そこへ、彼氏の協力のもとで美嘉がこう言います。
「…美嘉はお父さんもお母さんもお姉ちゃんも大好きなの。だから…離れ離れなんて嫌だ!! また昔みたいに旅行に行きたい。大きいお皿におかずを入れて取り合いしたいの!! 家が変わっても住む場所が離れても…離婚だけは嫌だよ…」
この鶴の一声(?)で離婚の危機は回避され、家族は仲良く暮らすようになりましたとさ。…ありえなくね。というか、これ大学1年生が叫ぶような台詞じゃなくね。
<総括>
美嘉という娘は合理化するのが好きなようで、嫌なことも都合よく処理されていきます。すべてが主人公、美嘉を中心に展開され、彼女の思うことは、全て自分・他者含め、台詞に表われます。つまり、美嘉の思うとおりにストーリーが展開されます。どんでん返しは彼氏のヒロが癌であることを知ってしまうところくらいです。しかし、これは、帯を見れば分かることですから、結局美嘉の思うがままなのです。
主人公が神格化されてしまう作品は駄作だと思います。一人にしか感情移入ができないからです。例えば、『ドラえもん』の場合、ドラえもん、のび太、すね夫、ジャイアン、静香ちゃんが主人公で物語を進めることができますよね。出来杉くんや、のび太のママ、猫のミイちゃんをも主人公にできるかもしれません。なぜそんなことが可能なのか。それは傑作だからです。もし、読者が主人公に思い入れできなかったら…私なら本を閉じてしまいます。主人公中心にしか話が進まないから、ヒロの視点から描かれた『君空』という作品ができるわけです。
セックス・レイプ・中絶・シンナー・喫煙・飲酒・離婚・不治の病etc.…このように辛く、悲しく、苦しいことを書き並べるのはある種レトリックです。「ふり幅」を大きくすることで読者を引き込ませるという方法です。読み手としては、大して不便をしていない主人公よりはハンディキャップを背負った主人公を応援したくなります。
この手法はいたるところでお目にかけることができ、ディズニーで例えるなら、『ダンボ』『美女と野獣』がそれにあたります(『ダンボ』は耳がでかい。『美女と野獣』は分かりますね)。それだけよく用いられるということです。そう考えるなら、『恋空』といわゆる”感動もの”は同じに思えます。しかし、一緒に思えないのは、作者、美嘉のウデがないからです。彼女の致命的な欠点は語彙力がないということです。だから、話がつまらなく、幼稚に見えるのです。ただ、容易な表現だからこそ女子中高生にうけたのかもしれませんが。
彼女の文章には行間がありません。すべてが彼女の手によって描かれてしまいます。同時に、微妙な描写もあまりありません。つまり、表面的な美しさを書き記したという感じです。そういうわけで、読者は行間を読む楽しさを失いますし、重層的な解釈ができません。『恋空』が文学たりえないのはそういうところにあるのではないでしょうか。
あと気になったのは、主人公を悲劇のヒロインに仕立て上げようとしていること。「私、かわいそうな女の子なの~。一緒に泣いて~」みたいな。そういうのが文面からひしひしと伝わってくるんですねぇ。読んでいるこっちは胸くそ悪くなりますよ、ホント。
最後に女子中高生に受けた理由について少し書きたい。セックス・シンナー・喫煙・飲酒・サボりなど、この作品にはこのようなキーワードが散見されます。女子中高生たちはこの作品を通してこれらを疑似体験したかったのではないでしょうか。普段はおとなしいけど、本当は羽目をはずしたいと思っているのでしょう。その面を含めてこの作品はうけたのではないでしょうか。
長くてすいません。でも自分の思うところは一応書いたつもり。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
ー以上ー
『恋空』を読み終わったので感想を書きたいと思います。
昨日書くつもりでしたが、すいません。今日になってしまいました。思いのほか長かったためです。上巻347ページ、下巻364ページもあったのでね。
単に、「つまらんかった」「スイーツ(笑)」で終わらせたくないのできちんと書きます。というか、私は「スイーツ(笑)」という表記があまり好きではありません。「スイーツ(笑)」というフレーズを使っている時点でどっちもどっちだと思うからです。
話がそれました。では、参りましょうか。
1、「~ね。」という箇所が多いね
この言い回し、どこかで聞き覚えありませんかね?見覚え、読み覚えではないんですね。実はこれ、浜崎あゆみの曲の詩に大量に出てくるフレーズなんですね。この作品の中にも頻繁に登場しますね。また、「?」、つまり疑問形もよく出てきますね。これも浜崎あゆみの曲も同様なんですね。おそらく、作者の美嘉さんはあゆを
リスペクトしてるんでしょうね。で、インスパイヤ”も”したというわけでしょうね。実際、作品の中に浜崎あゆみの『Who...』が出てきますからね。
注1:確かに浜崎あゆみさん以外でも「~ね」は多用しますがね。
注2:中国人の日本語じゃありませんからね。←不適切な表現であることを謝罪しますね
2、1行ごと改行
だからページ数が膨大になるのです。
メモ帳と揶揄されている原因はここにあります。
いちいち改行している理由は、もともと携帯電話を媒介としていたからでしょう。
個人的には読みやすさよりもスクロールするのが面倒なので、このような書き方は嫌いです。
そう思いません?
3、体言どめの連発
小学生でも書ける体言どめ。それをさもレトリックかのごとく多用させる作者、美嘉。なんて稚拙な表現。サブタイトルが「~切ナイ恋物語~」と、作者が自分で作品の趣旨を要約。読者の想像力をも奪う作者、美嘉。末恐ろしい作家(素人)。
4、伏線がへたくそ
例、(下巻の帯より)
美嘉が最後に見上げた恋空は!?
衝撃的な結末があなたを待っています。
厳密に言えば伏線とは言いがたい例かもしれませんが、一番分かりやすい例なのでご了承ください。”衝撃的な結末”と言われて皆さんは何をご想像になりますか。『恋空』に限らず、この”衝撃的な結末”ってたいてい「死」「病気」「別離」を指します。頻度は、死>病気>別離 といったところでしょうか。いわゆる”感動
もの”のラストって所詮こんなもんです。ただし、バラエティーにおける”衝撃的な結末”はこれにあてはまりませんが。
ここで言いたいのは、伏線が分かりやすいということ。頭の悪い読者にとっては優しい心遣いのように受けとめられますが、ふつうの人間にとっては、これほど馬鹿にした表記はありません。伏線って、たいていは読み飛ばしてしまうようなものだと思うんですがね。『恋空』に出てくる”伏線”は「伏線」とは呼べず、「展開を
提示」しているようなものなんですね。こいつはひどい。
5、主人公、美嘉がアホ
まず、高1で「流産」の意味を知りません。ちなみに彼氏のヒロくんも知りません。常識ですよね。
美嘉が仲の良かった女の子2人から無視されて、はぶられる場面があるのですが、そこへクラスのとある3人組が美嘉を呼び止めて仲間に入れてあげるシーンがあります。しかし、美嘉にはその意味が分かりません。彼女が謙遜しているわけじゃないんですよ。彼女、相当鈍いですよね。というか、鈍いどころじゃないですよね。
可愛そうだから仲間に入れてあげたという優しい心遣いが汲み取れないのです。
美嘉が大学に入ってまもなく、両親が離婚の危機を迎える場面があります。どうやら父親の会社が危ない状態らしく、今住んでいる家から引っ越さなければなりません。父親と母親は毎晩喧嘩が絶えません。家族の写真は真っ二つに引き裂かれるなど、険悪なムードです。そこへ、彼氏の協力のもとで美嘉がこう言います。
「…美嘉はお父さんもお母さんもお姉ちゃんも大好きなの。だから…離れ離れなんて嫌だ!! また昔みたいに旅行に行きたい。大きいお皿におかずを入れて取り合いしたいの!! 家が変わっても住む場所が離れても…離婚だけは嫌だよ…」
この鶴の一声(?)で離婚の危機は回避され、家族は仲良く暮らすようになりましたとさ。…ありえなくね。というか、これ大学1年生が叫ぶような台詞じゃなくね。
<総括>
美嘉という娘は合理化するのが好きなようで、嫌なことも都合よく処理されていきます。すべてが主人公、美嘉を中心に展開され、彼女の思うことは、全て自分・他者含め、台詞に表われます。つまり、美嘉の思うとおりにストーリーが展開されます。どんでん返しは彼氏のヒロが癌であることを知ってしまうところくらいです。しかし、これは、帯を見れば分かることですから、結局美嘉の思うがままなのです。
主人公が神格化されてしまう作品は駄作だと思います。一人にしか感情移入ができないからです。例えば、『ドラえもん』の場合、ドラえもん、のび太、すね夫、ジャイアン、静香ちゃんが主人公で物語を進めることができますよね。出来杉くんや、のび太のママ、猫のミイちゃんをも主人公にできるかもしれません。なぜそんなことが可能なのか。それは傑作だからです。もし、読者が主人公に思い入れできなかったら…私なら本を閉じてしまいます。主人公中心にしか話が進まないから、ヒロの視点から描かれた『君空』という作品ができるわけです。
セックス・レイプ・中絶・シンナー・喫煙・飲酒・離婚・不治の病etc.…このように辛く、悲しく、苦しいことを書き並べるのはある種レトリックです。「ふり幅」を大きくすることで読者を引き込ませるという方法です。読み手としては、大して不便をしていない主人公よりはハンディキャップを背負った主人公を応援したくなります。
この手法はいたるところでお目にかけることができ、ディズニーで例えるなら、『ダンボ』『美女と野獣』がそれにあたります(『ダンボ』は耳がでかい。『美女と野獣』は分かりますね)。それだけよく用いられるということです。そう考えるなら、『恋空』といわゆる”感動もの”は同じに思えます。しかし、一緒に思えないのは、作者、美嘉のウデがないからです。彼女の致命的な欠点は語彙力がないということです。だから、話がつまらなく、幼稚に見えるのです。ただ、容易な表現だからこそ女子中高生にうけたのかもしれませんが。
彼女の文章には行間がありません。すべてが彼女の手によって描かれてしまいます。同時に、微妙な描写もあまりありません。つまり、表面的な美しさを書き記したという感じです。そういうわけで、読者は行間を読む楽しさを失いますし、重層的な解釈ができません。『恋空』が文学たりえないのはそういうところにあるのではないでしょうか。
あと気になったのは、主人公を悲劇のヒロインに仕立て上げようとしていること。「私、かわいそうな女の子なの~。一緒に泣いて~」みたいな。そういうのが文面からひしひしと伝わってくるんですねぇ。読んでいるこっちは胸くそ悪くなりますよ、ホント。
最後に女子中高生に受けた理由について少し書きたい。セックス・シンナー・喫煙・飲酒・サボりなど、この作品にはこのようなキーワードが散見されます。女子中高生たちはこの作品を通してこれらを疑似体験したかったのではないでしょうか。普段はおとなしいけど、本当は羽目をはずしたいと思っているのでしょう。その面を含めてこの作品はうけたのではないでしょうか。
長くてすいません。でも自分の思うところは一応書いたつもり。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
ー以上ー
どうも
いい加減放置しすぎじゃね。ごめんよ。だって書くことあんまねぇんだもんよ。
今のマイブームは読書なのですよ。4月のうちに5冊読んだのかしら。もうちょっと増やしたいっすね。経済史とかマクロは暇ですからね。その時に読めばいいかと。
去年のマイブームは書くことだったのですよ。知識を浴びるような生活だったからね。だからバランスを取るために書くことが必要だったわけですね。
今年に入ってから知識を浴びるような生活ではなくなったからね。だから自ら浴びとるわけですよ。
大学生の授業の向き合い方って主体的な必要があると思うわけ。義務じゃねぇからね。別に大学なんて行く必要があるかも疑問だしな。
オレは14コマしかないから楽なんだろうけどさ。
とりあえず昨日一流古本屋、ブックオフで購入した『恋空』を朝までに読み終えてみようかのう。
ー以上ー
今のマイブームは読書なのですよ。4月のうちに5冊読んだのかしら。もうちょっと増やしたいっすね。経済史とかマクロは暇ですからね。その時に読めばいいかと。
去年のマイブームは書くことだったのですよ。知識を浴びるような生活だったからね。だからバランスを取るために書くことが必要だったわけですね。
今年に入ってから知識を浴びるような生活ではなくなったからね。だから自ら浴びとるわけですよ。
大学生の授業の向き合い方って主体的な必要があると思うわけ。義務じゃねぇからね。別に大学なんて行く必要があるかも疑問だしな。
オレは14コマしかないから楽なんだろうけどさ。
とりあえず昨日一流古本屋、ブックオフで購入した『恋空』を朝までに読み終えてみようかのう。
ー以上ー