恐らくアイヌ口承文学の中で一番有名な書籍ではないでしょうか。

 

『シマフクロウの神が自らをうたった謡』冒頭の

シロカニペ ランラン ピシカン

 

知里幸恵さんの和訳

『銀のしずく 降る降る まわりに』

 

道外在住でも、聞いた事がある・知っているという人も多いでしょう。

 

知里幸恵さんの故郷 北海道幌別郡(現:登別市)は、私にとっても生まれ育った故郷。

私の実家は今でもJR幌別駅から歩いて10分以内のところにあります。

 

小学生の頃から幸恵さんのことは「地元の偉人」として学びの中に度々取り上げられ、なじみ深い人物ではありましたが、やはり和文の「銀のしずく降る降る」の部分しか頭に残っておらず、改めて今、読み返して感嘆している所です。

 

一言にアイヌと言っても道東地方、旭川以北、樺太・千島とそれぞれに特色があるようですが、二風谷、白老、登別の胆振アイヌ文化は開拓民5代目の私でも少しは地元感という、とっかかりやすい近しさを感じます。

 

現在のJR登別駅の近くには銀のしずく記念館もあります。

幸恵さんの姪にあたる横山むつみ館長がご存命の時に記念館を訪問させて頂いた事があります。

その時にウェルカムティーとして記念館裏の森で採取したナギナタコウジュのお茶を初めて頂いた、その味&血流増進の実感が忘れられません。

 

富良野のラベンダー、北見の薄荷...と、北海道はシソ科植物と親和性が高い土地柄ですが、ナギナタコウジュもシソ科植物。

アイヌ文化継承が途絶えれば忘れられそう&外来種の植物に淘汰されそうな北海道特有の植物ですが、あの薬効の高さは、やはり後世に伝えて行きたい特産ハーブの一つだと思っています。

お盆頃に記念館に行くと玄関前の鉢に花を咲かせている姿を見せて頂けるかも。

 

あらためて記念館のHPを拝見したところ、記念館裏の森は「知里森舎」として散策できるようになっているようで、今回の読書時間をキッカケに再訪したいなと思っています。

 

登別は札幌からも日帰り可能ですし、何と言っても「温泉」「クマ牧場」で有名な観光地でもあるので、これからの行楽、レジャーのついでに訪れることをオススメします。

 

<注意>

”森”とはいえ、おそらく私有地だと思います。散策の際には必ずマナー厳守でお願いします。

くれぐれも勝手な採取やゴミの置き捨て、写真撮影に夢中のあまりプライベートエリア入り込んだり、種まきなど管理している部分を踏み荒らしたりしないように!!

先人の知恵に敬意を払って見学させて頂きましょう。