東南アジア。
スパイス&ハーブの原産国の多くを有する地域です。
私にとってアロマやハーブに触れる様になって、とても身近に感じるようになった地域でもあります。
そんなエリアの特にインドネシアとマレーシアに着目して熱帯泥炭地の現状と問題点、解決を探る為の「監視」その考え方と手法について5名の先生達からご講話頂きました。
私、お仕事で出金伝票の根拠書類を確認する時に。
最近よく「中央カリマンタンの○○に関する支出」という決議書を目にしていて「中央カリマンタンって何処だろう?(支出は日本円か米ドル)」と思っていたところ、今日の講義を聞いて納得。
まさに熱帯泥炭地の火災や大規模プランテーション開発でCO2、CH4排出が問題と重要視されている地域でした。
これは支援や見守りが必要な地域ですね。
ここはオランウータンの生息地でもあるので、ネイチャーなどの写真でかなりの方も無意識に目にしている風景だと思います。
私も「今まで見ていた、あれも。これも。この地域だわ!」と繋がりました。
豊富な熱帯雨林の緑。
林を縫う様に満たされる雨期の水路。
熱帯特有の極彩色の鳥やオランウータンなどの動物たち。
生態系の宝庫の様な写真を見ていて、そういう「楽園」エリアなのだと思っていました。
モチロン嘘ではなく、そういったエリアも今でも残ってはいるのでしょう。
けれど実際は近代化、経済化社会による問題が深刻。
そして私達が使っている食品、日用品にも、その原因の一端が繋がっていると判って、自分の豊かさ&便利さの影の犠牲という部分にも目が向きました。
緑豊かだからいい…そういう単純なものではないんですね。
元々の植生を壊して営利産物を育成する。
新たな産物を育成する為に泥炭地を焼き払い大規模火災を起こしてしまう。
火災によって地球上に温室効果ガスをまき散らしてしまう。
地中のガスが抜け、泥炭が燃える事により地形を変えてしまい、戻すのに数千年が必要になってしまう。。。
インドネシア&マレーシアの熱帯雨林の開拓は主にオイルパームとアカシアのプランテーション。
アカシアは紙パルプとして日本にも入ってきています。
私達が使っているトイレットペーパー。
メーカーにもよると思いますが、もしかしたらオランウータンの悲鳴でお尻を拭いているようなもの?!と考えるとやりきれなくなります。
オイルパームは食料として…マーガリン、マヨネーズ、即席めん、菓子類、アイスクリーム等に。
また洗剤&石鹸、化粧品として、あらゆるところで使われています。
そう考えると「私、パームオイルなんて使ってないわ」という日本人って、よっぽどアレルギーを持っているような人じゃない限りいないのではないかと思います。
今まで知らなかった事は、なんて呑気でお気楽ご都合主義だったのでしょう。
ニュースで取り上げられるような災害や事件に関しては意見するブログやHPが多いのに、こういった事は、ナカナカ民間レベルに情報が降りて来ないんですね。
(何故ならメディアにはスポンサーがいて、スポンサーはこういう犠牲で利益を得ているから)
ちゃんと、自分の命の為に犠牲になっている部分を見つめられる人になりたい。
自分だけ良ければそれで良い、都合が悪くなったらトカゲの尻尾切りを真似るか逃げる…そういう日本に残念ながら、なりつつあるのも肌で感じますが。
絶対、自分はそっちへは行きたく無い。
不器用でも。
損な生き方と言われても。
改めて植物を通して「人として生きる事」の原罪。
何の犠牲も出さずに今まで生きて来れた訳ではない、傲慢になってはいけない、卑屈にもなってはいけない、そんな事を考えさせられた時間でした。