タイトルの『テレレ』。
一目見て
「あぁ、水出しマテ茶ね」
と、ピンときた方は、かなりのハーブティー通グッド!

マテ茶。
南米で広く飲まれていて。
コーヒー、茶(紅茶、中国茶、緑茶)と並んで、世界3大ティーに数えられるハーブティー。
「飲むサラダ」と言われるくらい栄養価が豊富なお茶です。

このマテ茶を。
水出ししたものを『テレレ』
牛乳で煮出したものを『コシード』と言います。

今日はそんなテレレのお話。

お仕事でパラグアイ事務所からのニュースレターを見ていてその中で目からウロコな記事があったのでご紹介。

現在のパラグアイではマテ茶の飲み方として「テレレ」が親しまれているそうです。
この普及のキッカケとなったのがチャコ戦争(1932ー1935年)だったそうです。
(※日本人にはあまり聞く機会が無いチャコ戦争についての詳細は検索すると沢山出て来ます)

パラグアイ人兵士3万人、ボリビア人兵士6万人以上が犠牲となり、20世紀に南米で起こった最も大きな戦争と言われている出来事なのですが、開戦時のパラグアイ軍は倍近い兵力を相手に必死の攻防を繰り広げていたそうです。

前線であったチャコは飲み水の確保が困難な地域であり、水を沸かす為に火を使っては敵に見つかるという状況下でパラグアイ兵たちはマテ茶で水を濾過して水分補給を行ったそうです。

水を濾過 → 水出しマテ=テレレ となり、今日の老若男女いつでもどこでも飲まれている国民ティーへと引き継がれているのです。

今更ですが、マテの学名。
Ilex paraguariensis

「パラグアイ」という言葉が入っているんですね。
何となく南米といっても大農場がありそうなブラジルのイメージが強かったのですが、今回あらためてパラグアイとマテの結びつきについて考えさせられました。

それにしても。
飲み水も無く、泥水を濾過させるのにメディカルハーブを使おうと思いついたパラグアイ兵(土着のグァラニー族)の知恵も凄いけれど。数の原理だけを考えるとどう考えても劣勢、半分の兵力のパラグアイ軍の兵士達の健康と戦い続ける気力を支えたマテ茶の力、凄過ぎます。

栄養豊富な上、有効成分のマテイン(カフェインの一種)の強壮効果は既に知られていますが、浄化作用もあったのですね。
そういえばサポニンを豊富に含むというのもマテの(緑茶も似てます)特徴でした。
サポニンは抗酸化・抗菌作用がありますもんね。
だから今”ダイエット・ティー”として人気なのかぁ~!!
っとストンと腑に落ちました。

そんなパラグアイとマテの結びつきの強いチャコ戦争。
6月12日は平和条約が調印された終戦記念日。
パラグアイでは「チャコ平和の日」として各地で記念式が行われているそうです。

こういった歴史を知ったからには。
私も普段はマテを水出しで飲む事は無いのですが(持っているドライハーブが水出し用ではないので)、今日ばかりは”無理矢理テレレ”を。
ボンビージャ(マテ茶用の器)を持っていないので雰囲気だけ似せたストロー飲みで。



↑ハンディークーラーから勢い良く注いだだけで上部に泡…サポニンが含まれている証拠です。

改めてマテ茶を「嗜好品として飲める幸せ」と共に噛みしめる事で、平和のありがたさを実感しました。

この記事を見てくれた方も。
今後マテ茶を飲む時に、マテの底力と平和について思い出して頂けたらいいなと思います。