アロマテラピー、メディカルハーブの知識は、その歴史的変遷からキリスト教と切っても切れない関係にあります。

祖母がクリスチャンだったので私も8才の頃には『子供の聖書』を持っていたし、今でも時間があると(歴史書として)新約・旧約どちらもパラパラと目を通します。
(私自身は道徳的思考・魂の目指すものとして聖書が一番近い気がしていますが無宗教なので、詩として岩波文庫のコーランも読み、節目には般若心経を唱え、ご神木のパワーを頂きに神社散策もします。)

そんな中、目に留まった『ヤコブの手紙』の記述。

5:14 あなたがたの中に、病んでいる者があるか。その人は、教会の長老たちを招き、主の御名によって、オリブ油を注いで祈ってもらうがよい。(訳:口語訳聖書より)

古代から病気の人に対して植物油や香油を塗るという事はされていたようです。
キリスト教以前、エジプトなどでは既に美容と健康への期待という使い方はされていた様ですし。

それが歴史を経たカトリック教会では、臨終に際してのみ行われる「終油の秘跡」と呼ばれsacramentum(7つの秘跡)の1つとして儀式化されていったという変遷を辿ります。1972年のバチカン公会議以後、秘跡の由来と本来の意味を見直され、対象を臨終の人に限らず呼称も「病者の塗油」となりました。

その『病者の塗油』の根拠とされているのが、このヤコブの手紙5章14節だったのです。
年代を見ると、長いキリスト教歴史の中からみると”やっと最近、本来の姿に戻った”といった所でしょうか(1972年といったら私は既にこの世に存在していますものねあせる

カトリック教会におけるsacramentumとは洗礼、堅信、聖体、ゆるし、病者の塗油、叙階、結婚の7つの事だそうです。

今や日常使い用のお手軽なものから最上ランクまで。
東の辺境、日本の地でもオリーブオイルの入手も容易くなり栽培されているところもあるくらいですが。
あらためて歴史的価値と長い年月、広い地理や民族性に淘汰されない植物の力は、それだけでもGratia(神の恩恵)だなぁ~っとシミジミありがたく、より有効的に使わせて頂こうという気持ちになってきます。

この気持ちをいつまでも忘れず。
また、伝えて行ける人間でもありたいと改めて思いました。



↑ つい先日、基材論の副教材として頂いた植物油サンプルセット。
オリーブ油(エキストラバージンオイル)、スクワラン(オリーブスクワラン)をフィーチャー目