正直、麻酔が覚めてからの記憶は殆どありません。

麻酔のせいかなのか
突然のことに受け入れられなかったのか
現実逃避か


ビデオカメラで撮ってもらってたほんの数分間のを見て「そうだったんだ…」てわかる程度

ビデオに映ってるしんちゃんは口から挿管されて身体にたくさんの機械がつけられてた
ピクリとも動かなかった

しんちゃんの保育器の横に私のベッドを置いてもらって、側面開けてもらって初対面


小児科の先生から

口から管を入れるのためらう位だったけど、お父さんが一目お母さんに会わせてあげたいと。
しんじ君に頑張ってと言ったら応えてくれて、今までお母さんのこと待ってたんです。
良かったら抱っこしてあげてもらえませんか?

と説明を聞いている私はポカーンとした顔で頷いていました。

保育器から出してもらって私の横に連れてきてもらいました。
私は先生の説明を理解してるのかしてないのか
泣きながらずっとしんちゃんに話しかけてました。

しばらくして先生が、これ以上治療ができないことを説明して、このままだとしんちゃんが苦しいままになってしまうから呼吸器も全て外して私に抱かれたまま逝かせてあげたいことを言っておられました。

私はしばらく呆然としていましたが、主人に手を握られて泣きながら頷いていました。
主人も目を真っ赤にして泣いていました。


ビデオはここで終わっていました。


しんちゃんの最期の記憶が…
どうやって見取ったか記憶がありません




手術室に入る前には想像できなかった

まさかその数時間後にお腹の子と別れるなんて




入院当初に絶望的なある意味余命宣告をされて
何回も危機を乗り越えて奇跡を積み重ねてくれた子
そんな生命力が強い子がここまできて亡くなるわけがない


やっと産まれてくれたのに
また余命宣告
それも数分の命

私はその数分も記憶に残してあげれなかった