早期糖尿病:読売新聞引用 | なんでも日記

早期糖尿病:読売新聞引用

Q 血糖値が高いのですが…

 ここ数年、健康診断で、「血糖値が高めなので食事に注意するように」と言われています。こういう場合、どんなことに注意したらよいのでしょうか。お酒を飲んだり、間食をするのがよくないのでしょうか。今のうちに気をつけていないと、糖尿病になったりするのでしょうか。また、親は糖尿病でしたが、それが糖尿病へのなりやすさにつながったりするのでしょうか。



A 早期糖尿病の場合も規則正しい食生活を

ながい内科クリニック(金沢市)院長 永井 幸広

 ご質問にある「血糖値(血液中のブドウ糖濃度)がやや高めである」場合には、耐糖能異常や早期の糖尿病が隠れていることがありますので、できれば外来で経口ブドウ糖負荷試験を行って、正確に耐糖能(糖を処理する能力)ならびに、インスリン(血糖を低下させるホルモン)分泌能をチェックする必要があります。糖尿病に至っていなくても、耐糖能異常が存在する場合には、その他の生活習慣病(高血圧・高脂血症・肥満など)を合併していることが多く、メタボリック症候群として高率に動脈硬化を引き起こすことが知られています。

 また耐糖能異常の場合には、年間十数%の割合で糖尿病に進展することが知られており、特に家系内に糖尿病の方がおられるとその危険性は高くなります。したがって糖尿病でなくても、耐糖能異常が存在する場合には「病的状態にある」と認識することが肝要です。

 治療に関しては、生活習慣の是正が最も重要となります。バランスのとれた規則正しい食生活と適度の運動(1日8000歩以上)を行うことにより、糖尿病への進展が抑止可能となります。規則正しい食生活とは、主食・主菜・副菜のバランスがとれた3食を均等に決まった時間に摂取することです。緑黄色野菜はカロリーが低く食物繊維を豊富に含んでおり、食後の血糖上昇を改善してくれますし、カリウムを多く含むため血圧上昇を抑えてくれます。

 アルコールに関しては、適度な量(アルコールとして1日30グラム程度=ビール350ミリ・リットルまたはお酒1合)であれば問題ありません。菓子類や清涼飲料水などは糖質を多く含んでおり、血糖値を上昇させ耐糖能を悪化させますので、できるだけとらないように注意して下さい。果物(みかん2個またはりんご半分程度)や乳製品(牛乳180ミリ・リットルやヨーグルト180グラム程度)を間食としてとるようにしましょう。

 外食や宴会などで摂取カロリーが多くなる場合には、その他の時間の食事量を減らす、あるいは運動量を増やすなどして対処して下さい。糖尿病は自覚症状が乏しい病気です。定期的に血糖値やグリコヘモグロビン(1~2か月間の血糖コントロールの指標)をチェックしていくことが重要です。

2005年12月13日 読売新聞)
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