プロバイオティクス食品:読売新聞引用
健康保つ優れ物
ヨーグルトやチーズなどの発酵食品は、古くから健康維持に役立つことで知られる。近年は、発酵にかかわる微生物の研究が進み、人体に有益な細菌を含んだ「プロバイオティクス食品」が続々と登場している。健康食品を組み合わせるなどして、機能性を高めた商品もある。
(高橋健太郎)
ブーム
プロバイオティクスとは、腸内の「善玉菌」を増やすなど、細菌のバランス改善に効果がある微生物のことだ。ヨーグルトやチーズなどの乳酸菌が代表的だが、みそや漬物、納豆も微生物を豊富に含んでいる。日本プロバイオティクス学会によると、腸疾患や歯周病の予防などにも有効という。
明治乳業が2000年に、「明治プロビオヨーグルトLG21」を発売したころから、注目度が高まった。このヨーグルトに配合した乳酸菌「LG21」は、胃かいようの原因の一つとされるピロリ菌を抑制し、食べるだけで、胃の粘膜の炎症を軽減するなどの作用が確認されているという。
カゴメが今年2月に発売した飲料品「植物性乳酸菌 ラブレ」は、京都名産の漬物「すぐき」から発見された植物性の乳酸菌「ラブレ菌」を用いている。ヨーグルトなどの動物性の乳酸菌よりも生命力が強く、胃腸の中でも菌の数が減りにくいため、病原菌への感染を防ぐ効果が高いという。飲みやすく低カロリーであることも受け、ヒット商品となっている。
ユニークな商品
フレンテの「クリッシュ」は、外出先でも手軽に食べられるタブレット(錠剤)タイプの菓子で、口の中を健康に保つ乳酸菌「LS1」を配合している。歯茎が腫れたり、歯がぐらついたりする歯周病は、口内の「悪玉菌」が原因とされ、脳血栓や心臓病とのつながりも指摘される。この乳酸菌には殺菌作用があり、歯周病の予防に効果的という。
他の健康食品と組み合わせるなど、工夫を凝らした商品もある。
オハヨー乳業の「ファンケル青汁のむヨーグルト」は、乳酸菌「L―55」で発酵させたヨーグルトに、ビタミンやミネラルが豊富な青汁を加えた。この乳酸菌には、大腸菌などに対する抗菌物質を作る働きがあるという。
日本ミルクコミュニティの「恵 megumi」は、小腸に生息する「ガセリ菌」と、大腸に住む「ビフィズス菌」の善玉菌2種類を使用して、腸内細菌のバランス改善機能を高めている。
| 明治乳業 | カゴメ | フレンテ |
|---|---|---|
| 「明治プロビオヨーグルトLG21」。126円 | 「植物性乳酸菌 ラブレ」。110円 | 「クリッシュ」。1600円 |
| オハヨー乳業 | 日本ミルクコミュニティ | |
| 「ファンケル青汁のむヨーグルト」。137円 | 「恵 megumi」。105円 |