アボカドの効能:日刊現代から引用
| 【丸元淑生 短命の食事・長命の食事】 2006年8月10日 掲載
アボガド高脂肪なのにコレステロールをせげる不思議 アボカドは、コレステロール値を改善してくれる果菜である。 重量にして19%、カロリーでは88%が脂肪という高脂肪食品なのだが、アボカドを食べると血液中の脂質の数値が良くなるのだ。 それは、アボカドの脂肪を構成している脂肪酸が、オメガ9と呼ばれる一価不飽和脂肪酸で高率に占められているから、と考えられている。 オメガ9を最も高率に含んでいるのは、オリーブ(77%)。次いで、アーモンドとアボカド(67%)が、3大オメガ9食品なのである。 オメガ9の特徴を一言でいうと、最も酸化しにくい不飽和脂肪酸。だから、加熱調理に使う油は、オリーブ油がすすめられているのである。 アボカドの脂肪は皮をむくまでは、空気に触れていないので、フレッシュに保たれている。むろん酸化していない。しかも、アボカドは生で食べるので、その新鮮な脂肪を、新鮮なまま変化させずにとることができる。その意味で、最高のオメガ9源なのだ。 それがどれだけ健康に寄与するものだろうか?オーストラリアの研究者が行った、決定的な研究がある。 アボカドを含む高オメガ9食と、米国心臓学会のフェーズⅢ食(低脂肪高複合炭水化物食)を比較したのだ。 37歳から58歳の15人の高脂血症の女性に、そのいずれかを3週間食べてもらい、次の3週間は食事を逆にしてもらった。 そ の結果、アボカド食は、総コレステロールを8.2%下げたのに対して、フェーズⅢ食の下げは4.9%だったのだ。 単純に低脂肪食にするより、適量のオメガ9をとるのは健康に非常によいことなのである。むろん、アボカドにはオメガ9だけでなく、葉酸やパントテン酸をはじめ、重要な栄養素が多く含まれている。 アボカドの料理の基本は、皮をむいたらすぐにレモン汁をかけること。それによって色も栄養素も守られる。 アボカドは野菜と合い、マグロやホタテ貝などの魚介類とも合うが、定番にする料理なら、トマトと玉ネギとアボカドのサラダだろう。ただ切って混ぜただけで充実した一品になる。 |