脈圧ってなに?:日刊ゲンダイ引用
| 【すこやか生活術】 2006年4月27日 掲載
脈圧平均血圧血圧の“新常識”知ってます? 血圧管理というと、「上の血圧」と「下の血圧」を問題にしがちだが、最近の新常識として「平均血圧」「脈圧」がキーワードになってきたことをご存じか? それぞれどんな意味を持ち、どんな計算式で求められるのかを、東京医科大学八王子医療センター副センター長で循環器内科の高沢謙二教授に聞いた。 細い血管を流れる血液は、一定の量で、一定の圧で、ゆったりと流れています。この細い血管内の血圧のことを平均血圧といいます」 この平均血圧の直接測定はできないが、ごく単純化した計算式《下の血圧+「上の血圧―下の血圧」÷3》で求められる。例えば「上120、下70」の人なら70+「120―70」÷3で87だ。 細い血管の動脈硬化が進んで血液の流れが悪くなり抵抗が増してくると、全身の血液の流れを保つために、心臓は血液をより勢いよく送り出さざるをえなくなる。その結果、血圧が上がり、上が150、下が100というような値を示し、平均血圧が上昇してくる。 平均血圧の目安は90だが、ちなみに上150、下100の人の平均血圧は約117だ。平均血圧110以上は要警戒だ。 「平均血圧が高くなってきたら、動脈硬化の始まりなのです」 脈圧とは心臓が血液を送り出す時に生まれる圧です。送り出す血液の量が増えると大きくなりますが、脈圧を大きくする決定的な要因は、太い血管の動脈硬化なのです」 脈圧の計算は簡単。《上の血圧―下の血圧》でOKだ。 例えば上が120、下が70なら、脈圧は50。 「脈圧は太い血管の動脈硬化が進むにつれて大きくなります。というのも、50、60代になると、大きな脈圧の影響を受けて、下の血圧が下がってくるからです。脈圧値はおおむね50前後が目安ですが、上の血圧と下の血圧の差が大きくなり脈圧値が上がるほど、心筋梗塞などの心臓病を発症するリスクが増すのです」 例えば58歳の人で上の血圧は170、下の血圧は70の人がいたとする。 「この場合、170という上の血圧については誰もが高いと感じるものの、下の70という数値は問題ないと考えるでしょう。ところが実際は下の血圧が低いのは、脈圧が増大したためで、動脈硬化が進行していることを意味するのです」 上の血圧が高いのに下の血圧が低いのは、動脈硬化が細い血管にも太い血管にも起きていることを示すのだ。 「下の血圧の値を見る時は、必ず上の血圧の値と見比べなければなりません。下の血圧が同じ70であっても、上の血圧が120の場合と170の場合とでは、全く違うのです」 こうした“血圧の新常識”を知った上で、血圧コントロールに取り組もうではないか。 |
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