りんごとたまねぎの強力抗がん作用:日刊ゲンダイから引用 | なんでも日記

りんごとたまねぎの強力抗がん作用:日刊ゲンダイから引用

【丸元淑生 短命の食事・長命の食事】
2006年1月13日 掲載
実証されたリンゴと玉ねぎの強力抗ガン作用


「1日1個のリンゴが医者を遠ざける」という西洋の古い諺(ことわざ)があるが、最新の研究もそれを裏付けている。
 フィンランドの公衆衛生研究所が1965年にガンにかかっていない男女9995人を対象に始めた食習慣とガンの発病の相関を確める追跡研究の結果が1991年に発表されたのだ。
 1991年までの26年間に997人がガンになり、そのうちの151人は肺ガンだった。
 ガンの発病のリスクを顕著に高めたのはフラボノイドがあまり摂れない食事で、フラボノイドが毎日摂れる食事をしている人よりも20%多く発病していた。そして、フラボノイドを非常に多く摂っている人たちと比較すると、46%も多く発病していた。
 フラボノイドはファイトケミカルの一つで、植物が外部から受けるさまざまなストレスに対して自分を守るために作り出している物質である。だから、当然ながら植物にしか含まれていない。
 種類は極めて多く、確認されているだけでも4000以上の化学的に特異なフラボノイドが存在している。
 われわれが日常食べている植物性の食品に含まれているフラボノイドの重要なものは十指に余るけれども、その働きの一つは抗酸化作用で、ビタミンCと共働するという特徴を持っている。特別の食品にのみ含まれているのではなく、ありふれた日常的な果物、豆、ナッツ、種、穀類、お茶に含まれている物質である。
 フィンランドの研究者たちは、そういう食品を食べてフラボノイドが多く摂れる食事をしている人がガンにかかりにくいことを明らかにしたのだが、特に重要な働きをしていると考えられる食品の第1はリンゴだったと述べている。それに肉薄していた第2位は、玉ねぎである。
 リンゴを毎日1個食べている人たち、玉ねぎを日常多く食べている人たちのガンの発病率が最も低かったわけで、この2つの食品の共通点は、全食品中で最も多くケルセチンというフラボノイドを含んでいることから、研究者たちはケルセチンには強い抗ガン作用があるのではないかと推論している。
 リンゴは抗ガン食品であるだけでなく、心臓も守ってくれる。リンゴに豊富に含まれている水溶性の食物繊維のペクチンが血中コレステロール値を下げるからだ。
 同時にペクチンは腸内でゼリー状にゲル化するので腸の筋肉の排便の働きも助けてくれる。

●丸元淑生(まるもと・よしお) 1934年、大分県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。作家、栄養学ジャーナリスト、料理研究家。