独身女性ヘッドハンターって:日刊ゲンダイから引用
これはかなり面白そうな仕事だ。メモメモ・・・・・・ といっても、私に勤まるかどうかわからないが。
【日垣隆のどこへ行くのかニッポン!】 2006年3月9日 掲載
独身女性ヘッドハンターのスゴイ裏技にご用心ヘッドハンターは、スパイ映画の登場人物ではなく、日本でも、ごくありふれた職業になっている。 何社かの採用担当者と強いコネクションがあり、「どのような人材をほしがっているか」をよく把握していれば、仕事はつとまる。もちろん観察力と交渉力に秀でていないと、長続きはしない。その仲介料は、会社の規模や人材の希少性によって差があるものの、なかなかのものなのである。 まあ、「とんでもないやつを紹介しやがったな」と企業側から嫌味を言われることはありうるけれど、新卒や下っ端ではなく、特殊な技術または営業力や管理力をもっている人材であることが前提なので、そうそう大外れはない。 ヘッドハンターは、当然のことながら男性に限った職業ではなく、むしろ女性が多い。 喫茶店にターゲットを呼び出し、彼女たちは何を聞くのか。 「現在の年収は?」 こんなことを、普通のデートやお見合いでは、いきなり聞けるものではない。女性ヘッドハンターは遠慮なく切り込む。 「恋人とはうまくいっていらっしゃる? いえ、こういう大きな交渉ごとには必要なことですから、どうか安心してお話ください。秘密は守ります」 もちろん、職環境に関する質問もする。 「いまの職場で、どんな不満がありますか?」 再び、肝心の問題に戻る。 「浮気をしたり、恋愛関係でトラぶったことは? これは、お答えいただいてもいただかなくてもよろしくってよ」 気を許した「できる男」は、すべてを話し、何度も逢瀬を重ねる。 これは私の作り話ではない。独身女性ヘッドハンターたちは、「結婚相手を見つけるには最高の仕事」だと堂々と語っている。 男と女が逆ならば、どうなのだろう。 とはいえ、やはり男はたいていバカだから、何でも話せて、親身になってくれるよき理解者に心動く場合も多い。 あれだけいろいろ聞き出しておいて、ヘッドハンターは女としてときめかなければ、仕事だけを完遂すればよい。 今どき珍しいローリスクハイリターンである。 リスクという点で補足すれば、この商売には仕入れがない。在庫を抱える必要もない。可能性ゼロではないが“返品”もほとんどないのである。 人件費率の高い清掃代行業や引越し運送業とも違って、いわゆる七つ道具も要らず、お見合いでもするように仕事をすればいい。 いや、お見合いそのものだと言える。 こうして、何でもかんでも外注化が進んでゆく。「かわりに部下を叱る」なんて仕事も、そろそろ必要かもしれない。 ◆日垣隆(ひがき・たかし) 1958年生まれ。東北大法卒。コピーライターなどを経て、ジャーナリスト、作家活動に。「そして殺人者は野に放たれる」「現代日本の問題集」など著書多数。最新刊は「使えるレファ本150選」(筑摩書房)、「いい加減にしろよ(笑)」(文芸春秋)。 |
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