三上義一氏の経済小説:日刊ゲンダイ引用 | なんでも日記

三上義一氏の経済小説:日刊ゲンダイ引用

三上 義一
ダブルプレイ

この人の翻訳した「ソロス」を読んだことがある。

クルーグマンは、クリントン大統領の御用学者で、今のブッシュ大統領にとっては、天敵だろう。

私個人としては、クルーグマンに好感を持っていない。何しろ、ジョン・グレイ教授の「FALSE DAWN」を散々にこきおろしてくれたからだ。

だが、今のブッシュ政権で、クルーグマンがどのように吼えているか、見ものである。


ロバート スレイター, Robert Slater, 三上 義一
ソロス―世界経済を動かす謎の投機家
ポール クルーグマン, Paul Krugman, 三上 義一
グローバル経済を動かす愚かな人々
三上 義一
ヨコハマ・イエスタデーズ
ポール・クルーグマン, 三上 義一
嘘つき大統領のデタラメ経済
ポール クルーグマン, Paul Krugman, 三上 義一
世界大不況への警告

【NEW WAVE】

2005年4月10日 掲載
ハードボイルド経済小説でデビュー 三上義一氏に聞く

「金融メディアの内幕をリアルに描きました」

三上義一
「金融情報に携わる記者の、誤報かスクープかのギリギリの端境での葛藤を書きたかった」と語る三上義一氏。最新刊「ダブルプレイ」(ダイヤモンド社 1600円)は、作家の黒木亮、経済アナリストの森永卓郎らが絶賛する金融最前線ハードボイルド。金融情報メディアの記者を主人公に、総理の椅子をめぐる陰謀、謀略を怒涛の迫力で描き出す。

【作品概要】 事件は元日銀幹部で横浜中央銀行顧問の村井自殺の一報から始まった。外資系電子メディアの記者・堀田は自殺に疑問を抱き、村井の妻や周辺から自殺はありえない、という証言を得る。
 さらに堀田は、村井が心中であり、堀田の高校時代の同級生・さやかの母が相手だったことも知る。だが香港で再会したさやかは、心中ではなく殺人だと告げ、調査・報道を依頼する。背後には、次期総理の椅子をめぐる横浜市長と現総理派の暗闘、さやかの復讐が複雑に絡み合う……。

――次期総理の椅子を狙う横浜市長が公金をヘッジファンドで運用? と、まさかの話が物語の重要な要素になっている。こういう物語はどこから?
「これまで一瞬の間に何千億円も動く金融の世界や、彼らの動きを速報する電子メディアの内幕をリアルにとらえた物語があまりにも少ないんです。そこで主人公同様、しばらく外資系の金融電子メディアで記者だった自分が書いてみようと。横浜や香港といった物語の舞台は、私が育ったり、アジア金融の中心地だったりで愛着のある街、そこも描いてみたかったわけです」
――次期総裁選へのさまざまな勢力の思惑と野望、横浜市のメーンバンクに巨額のカラ売りが仕掛けられたりと、話題のフジVS.ライブドアをほうふつとさせる金融戦争もメーンテーマ。一番書きたかったことは?
「本当は優秀で正義感もある記者が、批判されながらもなぜスクープを狙い、誤報めいた記事を飛ばすのか。ジャーナリストが倫理的に迷いながら、なぜ一線を越えてしまうのか。現場の記者の、わかっていてもやっちゃうギリギリの選択の瞬間をとらえてみたかったんです」
――やたら硬い経済小説のようだが、事件の背後には女、殺しとエンターテインメントの要素もタップリだ。
「私としてはとにかく今、今の金融世界の内幕を書いて、できるだけリアルにエンターテインメント小説として成立させたかった。実際、金融の世界には、まだ書かれたこともないとんでもないドラマが、いくつも埋もれていると思っています」
 血液型A型の蟹座。趣味はジャズの鑑賞で、ユーロジャズやマイルス・デイビスのCDはもちろん、生ライブにも出かける。今後は「基本は常に現代、今を書きたい。将来的には恋愛小説やミステリーなど、経済小説の枠も超えてみたい」とも語る。ハードな金融と情報の世界をビギナーにとっても分かり易く書ける、経済小説の大型新人の登場だ。

◆みかみ・よしかず 1956年生まれ、横浜市出身。上智大学外国語学部仏語科卒、筑波大学大学院国際関係学修了後、AFP通信(仏系)記者。90年から2年間の米コロンビア大学特別研究員を経て、米タイム誌、ロイター通信のスタッフライターを務め、その後、フリーとして活躍。著書に「アウン・サン・スー・チー囚われの孔雀」、青春小説「ヨコハマ・イエスタデーズ」、訳書に「ソロス」「知識資本主義」等。本書が作家としての本格デビュー作。