映画化予定のレスビアン小説作者コメント:日刊ゲンダイ引用 | なんでも日記

映画化予定のレスビアン小説作者コメント:日刊ゲンダイ引用

高橋 美夕紀
クールス

テレビで紹介していた。映画化がすでに決まっているらしい。


【NEW WAVE】

2005年3月20日 掲載
本格レズビアン小説で話題 高橋美夕紀氏に聞く


「エロ描写が少なく期待はずれかもしれませんが、レズビアンの人たちには“リアルね”と好評です」と語る高橋美夕紀氏。最新刊「KOOLS」(講談社 1500円)は、平凡なOLが自分のセクシュアリティーに目覚め、女性と恋し、愉快な、しかし少々問題ありのメンバーとソフトボールチームをつくる物語。映画化も決定し、斯界では話題沸騰のセクシュアルマイノリティー青春小説だ。

〈作品概要〉 会社の上司に新宿2丁目のゲイバー、レズビアンバーに連れて行かれた24歳のOLサエ。彼女は開けっぴろげに自分のセクシュアリティーを誇示する女性(?)男性(?)たちに驚き、同時にある解放感も味わう。
 少女時代から女性しか愛せず悩んでいたサエは、レズのヒロコ・ママに初めて告白、「恥ずべきことじゃない」と励まされ、やがてトモコという恋人もでき、レズのソフトボールチームにも参加する。だが同僚・親へのカミングアウトの問題、レズ同士の愛の確執など問題は山積みで……。

――ホモセクシュアルをテーマにした作品は数多いが、本格的なレズビアン小説はまだまだ少数。この物語はどこから? 高橋さん自身もレズビアン?
「(笑い)すごく身近なレズの女友達はいますが、私自身はまだそこまで深い関係の友人はいません。そもそもの書くきっかけは、ある日、編集者に“練習で筋肉が痛い”と言ったら“なんの練習?″と聞かれて、“レズビアンの人たちが集まるソフトボールチームの練習に参加した”と話したら“下手な小説より面白い。書いてみれば”となったんです」
――レズやホモの世界の紹介、ネコやタチといった言葉の解説、彼らの実際の悩みなども巧みに織り込まれ、東京のセクシュアルマイノリティー解説本にもなっているが一番書きたかったことは?
「セクシュアルマイノリティー(この作品の場合、主にレズビアンですが)を書きたかったというよりも、やはり固定観念にとらわれて物事を見ちゃいかんぞ、と。普段からそう思っているんですが、今回はセクシュアリティーをテーマに選びました。自然界の性愛はヘテロ(異性愛)だけじゃない、いろんな嗜好が存在するのが当たり前。そういう意識を読む人に少しでも感じてもらえれば、と」
――カミングアウトの問題がやはり大きなテーマのひとつになっている。
「表立ってのイジメ、差別は減っても、やはり“気持ち悪い”という全否定の意識を持つ人がまだまだ多いですね。実際にはマイノリティー同士の間にも差別、区別があって、そこもこの作品で問題として取り上げました。でもこの一冊ですべてがわかるわけではない、そこも意識して欲しいですね」
 血液型O型の双子座。趣味はウイスキーを中心に「酒」。新宿ゴールデン街のある店で週1回、カウンターにも立つ。今後は「この10年、湾岸からイラクまでの戦争を見せられ、多角的な視点の必要性を痛感しています。その視線を忘れず書いていきたい」とも語る。新宿ゴールデン街・2丁目が送り出す、酒の飲める大型新人の登場だ。

◆たかはし・みゆき 76年、埼玉県生まれ。立教大学文学部中退後、雑誌編集プロダクション勤務を経て、99年からフリーライター。企業広告や著名人のゴーストライターなども務め、初の書き下ろし作品の本書で作家デビュー。新人としてはきわめて異例ながら、本書刊行前から映画化が決定している。