SPCというのは、ストラクチャードファイナンスで、使われる、脱税用の(節税用といいたいだろうが)道具である。special purpose vehicleの略である。タックスヘイブン国(法人へ課税しない国)に、SPC会社を登記する。匿名組合ともいい、出資者は匿名のままである。これが、ストラクチャードファイナンスのみそである。
つまり、出資者もしくは投資家は匿名で、SPCの収益を非課税で受け取れる。
この点について、しばらく前、確か、3,4年前だったと思うが、国税庁が、SPCを脱税で告発したという記事が出ていた。私は、「おおっ」と思った。
「国税庁よくがんばるなあ」と。
でも、すぐに、政治家に頼んで、国税庁に圧力をかけてもらって、その脱税告発を取り下げさせるだろうと思った。
その後、このような記事を見かけない。
投資した資金の収益は、一銭たりとも、税金にもっていかれないようにする。不動産の売却益など、さまざまな利益について、SPCを使って、課税されないように工夫する。それが腕の見せ所なのだ。
透明性というのは、株主つまり、投資家への透明性である。
企業においても、同じである。
ユーザーや、消費者、従業員、地域住民などの関係者へ、十分な配慮をするべきであるのにもかかわらず、最も優先されるのは、株主である。
それが資本主義社会の原則だ。とまあ、そういうことをアメリカ型社会はいうわけだ。
しかし、日本型資本主義では、従業員を優先してきた。そして、企業グループも同様に優先してきた。
終身雇用で、従業員を大事にしてきた。それが、今は、派遣業法改正(改悪)で、労働者も代替可能なもの、商品となってしまった。
私の友人で、ある公認会計士の人は、自分の価値(もしくは、相場、値段)を確認するためにも、ヘッドハンターと連絡を取っているといっていた。そのような考え方に、私は、驚いた。すべてお金で考える公認会計士らしいといえばそれまでだが。
ホリエモンは、「お金で何でも買える」といったという。お金で買えない大事なものがあるとは思わないのだろうか。彼のブログをちょっと見たが、品性下劣というか、取りあげて非難するのも、いやになるほどだった。