ハゲタカについて | なんでも日記

ハゲタカについて

私は、数年前、経済関係の翻訳のアルバイトをしていた。その中で、格付け会社のレポートも十数件翻訳したことがある。そのレポートの内容は、いわゆるハゲタカが、不良債権をどのように料理するかということや、債権回収会社の評価と宣伝、などであった。


不良債権処理は証券化という方法を使うのだが、結局のところ、そのプロセスでは、不良債権を、大きく三つに分類する。

ハイリスク・ハイリターンの部分

ミドルリスク・ミドルリターンの部分

ローリスク・ローリターンの部分

である。

ローリターンでも、かなりの利回りを確保するように、仕組まれる。仕組み債ともいわれるゆえんである。

不良債権を安く買い取ることが、その大前提である。

デュー・ディジェンスという前調査で十分に債権の内容を吟味し、どのくらいの利回りが見込めるかを、徹底的に分析、予測し、その結果、買い取り価格を決める。だから、思い切り安く買い叩けば、ぼろもうけできるのである。ハイリスクの部分は、もしかすると0になる可能性のある部分であり、これは、債権を売却したい側か、その関連会社が引き取ることになる場合が多い。つまり、新生銀行の瑕疵担保特約で、日本政府が、追加してお金を払わなければならなくなったような仕組みと似ている。

不良債権は大きなビジネスチャンスなのだ。

アメリカで、証券化がはやりだしたのは、かなり前からである。この手法のおかげで、銀行危機から脱出した。アンバンドリングとか、最初のころは言われていた。だんだん洗練されてきて、さまざまなテクニックがどんどん追加されてきた。証券化の対象も、ありとあらゆるものまで、拡大されてきた。

日本のサラ金の金利のグレーゾーンのことまで、レポートに詳細に書いてある。これは、大蔵省の管轄する貸金業法という法律で定められている。債権回収に関わる部分は、大蔵省ではなく、通産省に関係している。競売で自己競落というすごい方法があることも、レポートで知った。

その他もろもろの不良債権ビジネスに必要な法律は、財務省と経産省が定めている。片山さつき氏は、財務省側で法案を作成した人であり、関連した解説書を執筆、出版している。

そして、彼女の夫の会社が、倒産し、再生するとき、「リスクをとってくれといわれて、株式を購入した」と言う記事が、週刊誌にあったが、リスクをとる場合には、株式を購入することはないはずだ。劣後債などがハイリスクの部分であり、株式はローリスクのはずだ。そして、その株式が再上場したときに、大金に化けたというが、化けるのは当たりまえだ。創業者利益と同じ理屈だ。未公開株を持っていて、株式公開したのだから。