5月26日 新宿ピットイン
19時30分開場 20時開演 22時30分終演

大友良英&あまちゃんスペシャルビッグバンドが装いも新たに(?)
大友良英スペシャルビッグバンドとして再始動、の初お披露目ライブに行ってきました。

あまちゃんスペシャルビッグバンドの年末NHKホールライブのCDを、大阪梅田ロフトのあまロス展にて購入して以来、かなり聴き込んでおりました。
大友さんのルーツであるノイズミュージックの要素をふんだんに散りばめつつも、間口の広いキャッチーな音楽としても成立しているのが本当にスゴいと思ったし
ライブも音源の単なる再生ということではなく、ライブならではのアレンジ、スリリングなソロ回しと生演奏の魅力たっぷりで。

そんな憧れの思いを育てながら過ごしたこの数ヶ月。
大友さんのツイッターやFacebookからかな、ピットインでのライブ情報を知り、どうしても気になって予約しました。

そしてもうひとつ、メンバーの中に地元の同級生がいるんですよね~。素晴らしい演奏家で今後も応援していきたいと思ってる人で。
その人のプレイを見たい聴きたいっていうのも野望のひとつでありまして。

よし、予定もあいているし行っちゃおう!けっこう日にちが迫っていましたが、ピットインにメールを送り、無事26日に予約を入れることが出来ました!

さて当日。会場について、予約順に名前を呼ばれて入場します。ギリギリかと思ったら前から2列目に座れてラッキーでした。
去年のピットインでのLIVEは秒殺で売り切れたそうですが、今回は「あまちゃんの曲もやるよ」って言ってるのにチケットの出足が遅くて・・・流行って切ないなあとボヤいておりましたわ、大友さん。
だからこそいま聴きに来てくれた皆さんに感謝!って仰ってましたよー。辛抱して付き合ってね、アングラの良さわかりますからって(汗)

本当に大編成で、ピットインのステージがぎっしりいっぱい!
大友さんのギター、ピアノ、キーボード、ドラム、マリンバ、パーカッション各種、トロンボーン、トランペット、サックス3人、クラリネット、フルート、チューバ、アコーディオン、ベース、そしてSachiko Mさんのサインウェーブス。→つまみがいっぱいついた機械を操作してあのユイちゃんのトンネルの曲などで出てくる音が作られてるんですよねー(こういう表現しか出来なくてすみません。。。。汗)

ファーストセット、大友さんワールド炸裂!の、かなりノイズ寄りの刺激的なサウンド!
あまちゃんの中からは、「芸能界」と「友情」。右から左から飛んでくるサインウェーブ、しびれるー!
ロンググッドバイの音楽もやってくれました。めちゃカッケーよ! 浅野忠信さんがタバコをくゆらす横顔が浮かぶ!!
そしてMCが愉快過ぎるよ大友さん…w 
「題名のない音楽会」でニコニコ嬉しそうにノイズミュージックを語っていた、あの同じ笑顔でひたすら楽しそうに音楽する姿も印象に残ります。

自分の周りには結構ちゃんとノイズとか聴いてるひとも何人か知ってるけど、私はほぼ予備知識ゼロなんです。基本クラシックオタなんで。
でも、あまちゃんの音楽をきっかけに大友良英さんを知り、新たに世界を広げてもらえてるっていう喜びがあるんだよね。
実際、経験のない恍惚感にかなり痺れてる!
研ぎ澄まされた不協和音をじっときいていると…雅楽を聴いている時の浮遊するような心の状態にかなり近い感覚。

セカンドセットはあまちゃんの「トンネル~大地」でスタート!ユイちゃんの見たあの景色がまざまざと蘇ります。
また、色んな楽器の様々な奏法にも目をひかれました。
大友さんのギター、時々ヴァイオリンの弓で弦を擦ってたし、ピアノは中の弦を指ではじく内部奏法をしてるのがわかりました。
マリンバも鍵盤の上に何か見慣れないものを置いてこすったりしてるのが見えました。
それぞれの奏者がハイクオリティなアドリブを同時に鳴らし続けることで生まれる、偶然と必然の狭間のようなサウンド。
繰り返されることで生まれる恍惚感、その中ですこしずつすこしずつ音量やアレンジが変化していく面白さ。浴びるように聴いていると、なんだかヤバイ高揚感に包まれてきます。
・・・あれっ?繰り返しの美学って。。。パッサカリアじゃん、シャコンヌじゃん。クラシックオタ風に言い換えれば。
昔から音楽にミニマルな要素を持たせることで一定の表現効果を狙うってのは、姿形や方法を変えながらも脈々と存在してるんですね。

アンコールはあまちゃんの「琥珀色のブルース」と、ラストにあまちゃんのテーマ。かっこ良過ぎて、もう!
あまちゃんのテーマしか知らないでここに来た人もいないだろうけど、もしそんな人がいたら今日のライブの音はかなり衝撃的かもね。
でもサントラ少しでもかじった人なら、今日ここに来て大友さんの音楽の本質を垣間見ることが出来て、満足して帰ることが出来たのでは。
少なくとも私はそうだな。

ああ、翌日の朝は心地よい余韻に耳が痺れておりました。
こういう音楽を時々聴きに行くのも、音楽の世界が広がるね。
実にカッコいいです!