
タコだもの、赤いお洋服で行かなきゃね。
ってのは冗談なんですが。。。
今日、足を運んだコンサートの話。
オーケストラ・ダスビダーニャ 第21回定期演奏会。指揮は長田雅人先生です。
なんと、こちらの団体はショスタコーヴィチの作品を演奏することに特化した、アマチュアオーケストラだそうで!!
ショスタコーヴィチって、クラシックファンの間では何故か「タコ」と略されますw。
または「ショスタコ」もあるかな。
本日のプログラム(当然、全部ショスタコ作曲ですよ)
前半は映画音楽「女ひとり」抜粋より
映画音楽を多く作ったタコならではの、わかりやすい書法の中に見え隠れするぴりっと辛いアイロニー
一見分かりやすいどんちゃん騒ぎだったり
コミカルな音楽もお手の物だけど
凍り付いた心ややるせない思いを載せた音楽にたびたび息を飲んだ
この中で情景描写に一役買っているのが、テルミンです。
出番はほんのわずかしかないんですが、跳躍する下降音型が吹雪を予感させるような不穏な気分を増幅させ、
強烈な印象を残していくのです。

テルミン奏者として、私の大好きなテルミンの師匠・濱田佳奈子先生が出演されました。
先生からの演奏会告知で今日のコンサートの存在を知り、久しぶりの先生の演奏姿にお会いしたくて。
アマチュアオケだし、当日券で大丈夫かな、って思って前売りは買わずにホールに行っちゃいました。
すみだトリフォニーホールの大ホールです。
そしたら、当日券も残りわずかの集客力にビックリ!すごいんですね!!
せっかくだから先生がよく見えるように、と前の方で残っている席を買ったら
テルミンのセッティングしてあるのが舞台に向かって左端で、その場所が目の前に見える特等席でありました!!
思わず拍手しながらニコニコしまくってしまいました。
強烈な印象を残した本編が終わって拍手が続いているところに、佳奈子先生が再登場してソリストアンコール。
ショスタコーヴィチの映画音楽「馬虻」より ロマンス
参考までに ↓
ヴァイオリンで演奏されてる動画がありました。これ、テルミンにすっばらしく合う曲!!
素敵でした。私もいつか、弾いてみたいよこの曲!!

後半は、男声合唱とバス独唱(岸本力さん!!)をフィーチャーした、交響曲第13番「バビ・ヤール」。
ショスタコマニアにはおなじみの音楽のようですが、私のような初心者には難しい音楽なのかと思っていましたが。。。
ここのオケのプログラムが、なんと素晴らしい解説の詳しさ。読み応え十分です。
活字中毒で曲解説を読むのが大好きな私にはすごく嬉しい。
しかも、客電がそんなに真っ暗にまで落ちないので、対訳を追いながら聴けるのはとてもありがたかったです。
(写真の「さくらパイ@銀のぶどう」は、佳奈子先生への差し入れ。美味しそうだったからうちの分も買いました!)
男声合唱の大地を揺るがすような響き、岸本さんの魂を削る絶唱に、息をするのも忘れちゃうぐらい集中して聴けました。
本当の恐怖とは、本当の出世とは。
今の世の中にも、今の私たちにも、重みを持って訴えかけてきます。
チェレスタの奏でる音型に鐘の音が重なり、一筋の光が射す未来へ。
その先へ、明日へ、という思いが見え隠れする音の重なりが空へ消え、静寂が支配する。
ゆっくりと、指揮者が緊張を解くと、大きな拍手。いい、すごくいい、余韻を味わうことが出来ました。
☆☆ちょっとおまけ☆☆
前半が終わって休憩のときに、ちょこっとロビーに佳奈子先生が出ていらしたところにお会い出来ました。
やっぱり、あんな近い席にいたからね、ステージから私のことが見えたようです。わーい。
「赤いお洋服が見えたの!なんと心強い~!来て下さってありがとうございます~!」っておっしゃって下さって。
私も先生がよく見えるところで聴けて、ホントにうれしかったです。先生、お疲れさまでした!