つまずいたって、起きればいいよ。
つまずいたって、起きればいいよ。

ちょっと時系列が前後しますが、先に先週日曜日のお話を。

私にとってはちょっと久しぶりの、狂言鑑賞に行ってきました。


つまずいたって、起きればいいよ。

2012年12月2日(日)14時
セルリアンタワー能楽堂

クリスマスが近づいて、セルリアンには至る所素敵な飾り付けがしてあって、気分が上がりました!!

さて、三宅狂言会のみなさまの狂言の会、とくにこのお弟子さん方の会は
友人キンキンの活躍を応援出来る場として、楽しみに通わせて頂いております。
今回は「蝸牛」のシテ(山伏)。
主人からカタツムリを取ってこいと命じられた太郎冠者、ところがカタツムリを知りません。
主人から「薮にいる、かしらの黒い、腰に貝を付け、時々角を出す」という特徴を聞いて
なんと薮で昼寝をしていた、山伏をカタツムリと思い込んだ!ってとこからお話が始まる。
なんとも奇想天外なバカバカしさが最高に面白い。
山伏はちょいとこの愚か者をからかってやろうと「そうです、私がカタツムリです!」と
悪ノリして「謡に乗ってなら行ってあげてもいいけど。。。」とカタツムリの謡を太郎冠者に歌わせて
掛け合って「でんでん、むしむし!」とうたい舞います。

狂言って室町時代から型の変わらない伝統芸能ということですが
現代の私たちにもホントに面白くて、いつも腹を抱えて笑ってしまいます。

続いて「節分」。
豆食いたさにはるばる蓬莱から日本にやってきた鬼が、人間の女に一目惚れ。
「恐い者ではないぞ」と鬼の形相で言い寄っては追っ払われるおかしさ、
「宝物をくれるなら・・・」と鬼をぬか喜びさせ、最後に一気に追っ払ってしまう(笑)
女ってしたたかだよなぁ、とか。

最後に「棒縛」。
何度か見たことがありますが、酒飲みの描写はホントに面白いです。
セットも何も無い舞台の上から、あたかも上等なお酒のいい香りが
漂ってくるような、そんな想像力をかき立てる、演者の動き、ことば、そして擬音。
私はお酒飲めないんだけど(苦笑)これ見てるとホントに「美味しそう!!お酒飲めたら良かったのになー」
って思っちゃいますもん。

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今回は私一人ではなくて、家庭教師先の生徒ちゃんをひとり連れて行きました。
普段、おうちの人と一緒じゃない状態であまり電車に乗ってお出かけする機会が無い、とのことで
この子にとってはちいさな大冒険だったのではと思います。
でも、せっかく身近に伝統芸能の関係者がいる自分としては
一度は連れて行ってあげたかった。
私も、よそのお子さんを連れて出かけるのは、帰り着くまで緊張しましたが。。。
連れて行って良かったな、と心底思いました。
実際楽しかったし!!
本人も楽しかったみたいだし、初めて狂言の本物の舞台を観たわけなんですけど
けっこう笑ってくれていて、私も嬉しかった。

帰りの電車に乗って、「しばらく乗るから、私も寝ちゃおうかな」と私が目をつぶったら
隣でころっ、と眠ってしまいました。くたびれたよね。可愛い寝顔。

その後、片付けを終えたキンキンとちょっとだけ話せたんですが
ちいさなお客様の来場を、本当に喜んでいる様子でした。

是非、また能楽堂に足を運んでくれるようになったらうれしいな。