つまずいたって、起きればいいよ。



つまずいたって、起きればいいよ。


第2回チェンバロフェスティバルin東京(第1日)20121007

上野学園 石橋メモリアルホール&エオリアンホール

古楽大好きな私にとって、まさに盆と正月が一緒に来たような(え??)夢のようなひとときでした。
曽根麻矢子さん主催の、チェンバロ音楽を中心とする音楽祭。
がっつり半日、スーパーアーティストの演奏会をハシゴし、隙間はワークショップやレクチャーコンサートと盛りだくさん! 


本日の有料公演出演アーティストは次の方々。
①曽根麻矢子さん(チェンバロ) 
②太田光子さん(リコーダー)&副嶋恭子さん(チェンバロ) 
③武久源造さん(チェンバロ) 
④波多野睦美さん(メゾソプラノ)&曽根麻矢子さん(チェンバロ) 
⑤渡邊順生さん(チェンバロ) 


これは全部聴きたいに決まってる!!とセット券を購入。
どの演奏会も素敵で、ホントにワクワクしました。
武久源造さんと渡邊順生さんの演奏会はホントに久しぶりで興奮しました。
大好きな波多野さん、これまた大好きなモーツァルトとパーセルの歌曲を曽根さんのチェンバロと。もう幸せすぎる!!
 

ワークショップでは太田光子さんのリコーダー即興合奏講座に参加。私もソプラノリコーダーを持って行き、楽しく吹いてきました。 
一つの和音で伴奏出来る易しいメロディにハモリや装飾をつけながら、たくさんの人で合わせるとめっちゃ楽しいです。
チェンバロの音とリコーダーの音は改めて最高の相性だと思いました。

もうひとつ、大塚直哉さんのレクチャーコンサートも興味深く楽しかったです。
ミーントーン<中全音律>と半音階がテーマで、短い時間ではありましたが。。。異名同音が異名異音になること、半音階が凸凹の響きになることをあえて利用したり愛していた作曲家が多かったことなどのお話を、実際の曲の演奏も交えつつ分かりやすく話して下さいました。

 

このイベント、『第2回』って書いてありましたが去年は全くノーチェックで知らなかったのが悔しいです。
来年も続くことを祈ってます!!

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つまずいたって、起きればいいよ。
ベンジャミン・ブリテン作曲『ピーター・グライムズ』20121008
新国立劇場 オペラパレス

ギリギリまでチケット買ってなかったくせに、やはり観ておかなくちゃっていう気持ちがわき上がって慌てて買ったんですが・・・ 

結果、本当に行って良かったと思いました。 

人の集まるところ、スケープゴートを仕立て上げなければ結束出来ないって言うのは古今東西を問わずなのか。まさにいじめの構造とも重なる、束になった人間の恐ろしい面をえぐり出すような。 
しかも、その束になった人々を動かす力の源は「善意」なんですからね・・・誰もがどちらの立場にいつなるともわからない。私だって、みんなと同じことを考えない人のことを「あの人っておかしいよ!」といつの間にか彼らがグライムズを追いつめたように指を差したことだってあるかもしれない。 

ブリテンの生きていた時の状況とも重なるようなシチュエーションの数々を、彼の音楽が雄弁に語る。吹きすさぶ海風、どんよりと曇った空、そして次第に追いつめられて行くグライムズの心や向かう方向を見失って行く村人の心、すべての人の思いを飲み込んで行くような斜めの舞台を中心とする演出。 

グライムズ、エレンの二人が物凄い安定感で最初から最後まで引き込まれたのを始め、徒弟の少年の動き、合唱が作り出す村人たちの恐ろしいまでの圧力!!本当に素晴らしい舞台でした。