さて、昨日に引き続き、今日も午後からすみだトリフォニーホールに行ってきました。

今日は大ホールで「シューベルト・コーア」さんの演奏を聴くのが目的。

会場では、私とみいあさんの共通の友人でもあるじゅりさんと、キンキンさんと合流できて、一緒に聴いてきました。

指揮:吉元貴弘
ピアノ:富松万里子・藤村弘子

第1部「ロマン派名曲集」

1.セレナーデ(シューベルト)
2.鱒(シューベルト)
3.アヴェ・マリア(バッハ/グノー)
4.流浪の民(シューマン)
5.スラヴ舞曲第10番(ドヴォルザーク)

第1部は、シューベルト・コーア結成のコンセプトでもある、「ロマン派の美しい世界観を女声合唱とピアノで表現する」ステージ。

以前にも聴いたことのある「セレナーデ」や「鱒」は、ダイナミクスやアーティキュレーションがより繊細に表現され、洗練された魅力を増して聞こえてきました。
空にとけ込むようなハーモニーで祈りの歌を聴かせてくださった「アヴェ・マリア」。
「流浪の民」では、混声でしたら男声の二重唱が担当する「ねむーりをさーそうよるのかぜー」の部分がはっとするほど美しく、思わず顔が上がりました。メゾアルトのバランスの良い音質と、ハーモニーの綺麗さが素敵でした。

そして、楽しみにしていた「スラヴ舞曲」。
なんだかこの哀愁漂う曲調って日本人の心をくすぐるものがありますよねぇ。
私もオーケストラの演奏会で何度も聴いたことがあるし、この曲大好きなんですよ。この曲が合唱ではどうなるのかなって期待して聴いていました。
弦楽器のアンサンブルが作り出すような独特の「うねり感」を、よくぞ合唱でここまで作れるものだなと感心!!!!
吉元さんの指揮はやっぱりこのあたりの曲で真価を発揮するのかしらね?
「泣きのツボ」を押さえた表現、たまらないです。

さて、第二部。
交響詩「我が祖国」より モルダウ(全曲)

はじめにナレーションが入って、川の情景のお話が語られ、ピアニスト二人の連弾による導入部(水源)が始まりました。。。

まず凄いのがピアノパート。
オーケストラの音をほとんど全部弾いてるんじゃないかしら。
富松万里子さん、藤村弘子さん、このお二方の連弾する素晴らしいピアノが合唱の頑張りをがっちりと支え、さらにオーケストラに匹敵するほどの音の厚みと華やかさを添えてくださっていました。

合唱はいつものように、巴子さんの素晴らしい歌詞がついたスペシャルな編曲。

モルダウの流れのメロディ、魅力的ですよね。
合唱曲にも編曲されて、聴いたこと歌ったこともある方もいるでしょう。
でも、ここの団はそれだけでは終わりません。
11分ほどのこの曲すべての場面が歌われていくのですよ、まさに世界初演?!

水源の場面から、第一のモルダウのテーマ。ここは有名ですね。

流れは進み、森の狩りの場面では、ハイホーの呼び声も高らかに。
村人の結婚式の場面では、ポルカのリズムに乗って歌声も弾むようなウキウキした気分で。スタッカートを生かした軽やかな歌声が、花嫁花婿を祝福します。

そして夜が更けて川面が月の光に照らされる、幻想的な場面では・・・
合唱を弦楽器のアンサンブルのように扱って、美しいハーモニーをゆったりと伸ばしてピアニシモで響かせる。。。呑気に聴いている分には大変美しく、情景の浮かぶ素敵な場面ですけど。
いやぁこれ歌うの本当に大変だったんではないかなぁ???と歌うたいの端くれだった(汗)私は、練習中の苦労とかが何となく想像できてしまうのでした。
それにしても、本番では実に透明なピアニシモが素敵だったな。

夜が明けて川は聖ヨハネの急流にさしかかり、水しぶきを上げる場面に突入!
よく、みいあさんが練習の話をしてくれるときに、「濁流に巻き込まれないように必死に歌っているよ~」って言ってましたけど、まさにそんな感じの物凄い迫力です。
流れは幅を広げて、第二のモルダウのテーマから古城ビシェフラドを望み、エルベ川へ流れ去っていく最後の場面。
急流から次第に落ち着き、古城の風格あるたたずまいや堂々と流れる川、遠くに流れ去っていく川、最後まで映像が浮かぶ素晴らしい演奏でした。

演奏が終わったときに、友人キンキンさんが「これ混声合唱でも聴いてみたいかも。。。」とつぶやいていました。

アンコール:アヴェ・マリア(シューベルト)

演奏後、吉元さんが「オーケストラの響きを女声合唱とピアノでどこまで表現できるのかという挑戦だった」というお話をされていました。
吉元さんの編曲が凄いのはもちろんのこと、団員さんの真摯な努力と、吉元さんの指揮に全身で反応するその歌声が、今日の演奏の成功を作り出していたと言っても過言ではないでしょう。

今日のために全力で団員さんをサポートし、今日も本気度200%以上!!で熱唱したみいあさん。
毎度ビックリするような凄いピアノパートを見事に弾きこなし、音楽の土台を作り上げるピアニストさん。
そして、編曲から始まって合唱指導から当日の指揮まで、今日のためにその力を存分に尽くした、我らが吉元くん(ホントは◎ちゃんと呼びたいとこだけど、公式の場では控えておくね(笑))!!!

本当にお疲れ様でした。
来年はロマン派のあの曲なんだそうで・・・もう今から楽しみにしちゃってもいいでしょうか?!