昨日の寝しなに、ぼんやりと携帯からSNSサイトを見てたら、
私の入っているコミュのトピックがひとつ、目に飛び込んできました。

「明日のサントリーホールでの東京フィル演奏会に、お一人でふらりと来られる方いらっしゃいませんか?チケットさしあげます」

昼の仕事の後、ちょうど15日だけは夜が空いてた!
サントリーなら職場にも近いし、18時30分開演でも間に合う!!
わー、行きたいなぁ!

思い立ったらすぐ行動!ダメなら諦めればいいだけで。
すぐにそのトピック主さまにメッセージを送信しました。
そうそう、複数の応募があった場合は最初の方に、ってことだったし
善は急げ!!

これが功を奏して、一番になれた模様!即決していただけました。
受付に預けていただいたチケットを受け取って、席に行ったらいい席でビックリ!!
Pの最前列しかも端っこでお気楽、指揮者もピアノのソリストの顔も見られてなんという特等席なの~o(^▽^)o

さて、今夜の演目。
お話 : 黒柳 徹子
指揮 : 渡邊 一正
ピアノ : 仲道 郁代
管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団

林 光 / 「セロ弾きのゴーシュ」(語り:黒柳徹子)
岩手の詩人・宮澤賢治の代表的童話をオーケストラとともに語る

リスト / ピアノ協奏曲第2番(リスト生誕200周年)

ヴェルディ / 歌劇『運命の力』序曲

ベルリオーズ / 歌劇『ファウストの劫罰』より「ラコッツィ行進曲」

ワーグナー / 歌劇『タンホイザー』序曲

出演予定だった沼尻竜典さんが、足の怪我のために立って指揮をすることが叶わない状況で、ドクターストップがかかり出演できなくなったのがなんと3日前だったそうです。
沼尻さんの指揮、好きなので楽しみ~!と思っていたのですが、行ったら指揮者変更のお知らせが出ていてやや凹む。
・・・がっ!代役は渡邊一正さん。
大野和士さんのときも代役見事に振り抜いて素晴らしかったし
そもそも一正さんも好きな指揮者だったりしますから。。。
これはこれでラッキーなのかも!

予想通り、演奏は外さない素晴らしいものだったし、なにより知的な組み立てがたまらない魅力ですねо(ж>▽<)y ☆
前半の音楽童話「セロ弾きのゴーシュ」は、映像が浮かぶ素晴らしい曲で、子どもから大人まで笑顔になる名作だと思いました。
特に・・・
「病気の子ネズミのおっかさんが、楽器の振動で病気が治ると聞きつけて、ゴーシュの元にやってきた。ゴーシュは子ネズミをチェロの中へぽーんと入れて(出来るの?って突っこみはナシねw)、バッハの無伴奏チェロ組曲を奏で始める。。。」っていうくだり。
チェリストが無伴奏チェロを弾き始めると、次第に他の弦楽器や管楽器がメロディーやベースやハーモニーを重ねていって、バッハの音楽はそのままに生かしながらしっかりと林光さんの楽曲になっていくんです。
ひとつの点だった、ゴーシュの奏でる音が次第に面になり、更にふくらみを増して空間になっていくような。

また、ゴーシュの出演する演奏会ではベートーヴェンの「田園」が演奏される予定なので、楽団はそれを練習している、っていう場面でも、田園に出てくるモティーフをちりばめつつ、ちゃんとひとつの音楽が成立しているの。

あ、おなじみ徹子さんのお話もありました。
「セロ弾きのゴーシュ」では、語りと「カッコウの声」も熱演!!
まぁでもお正月の手話狂言の時にも感じたような、「お年を召したなぁ」という印象は今日も否定できず。
以前に比べると徹子さんの出番が、(暴走しないように?)きっちり決められてるなぁという印象でしたね。
でもやっぱり、ツボを押さえた笑わせ方はさすがですよ。

後半最初は仲道郁代さんソリストで、リストのコンチェルト2番。
2番は演奏機会がとても少ないのだそうです。。。確かに物凄く力も技も要りそうな、ソリスト弾きっぱなしの曲なんですけど、聴き映えとしては「オーケストラの1パート」のような書かれ方なのでちょっと地味に聞こえてしまうんだと思う。ピアニストとしては費用対効果が悪いみたいな印象なのかしらねぇ。。。
そんなレアな楽曲を仲道さん、見事に弾ききって喝采を浴びていました。なんと20年ぶりにこの曲を弾いたのだそうです。
仲道さん、近くで見ても小柄で本当に可愛らしい人。
演奏はテクニック、パッションともにスケールが大きくてさすが。
独奏チェロのバッキングをするところなんか、チェリストさんに投げかける視線のなんと情熱的なこと!すごいオーラなんですよ。
激しい場面も繊細な表現も、とにかく聞き惚れました。
ソリストアンコールの「愛のあいさつ」もキラキラと美しく、心が洗われるようでした。

そして最後の3曲は、まーこんな大変そうなの続けていいの?っていう濃厚さ。
真正面から見る一正さん、いつもクールな印象ですが。。。
ヴェルディ、ベルリオーズ、ワーグナーと濃厚な音楽を適度なクール感で引き締めつつも
最後は熱く駆け抜けるような表現が満載で、聴いていてスカッと気持ちが晴れやかになりました。

私の席の目の前が弦バスで、ちょっと右を見るとテューバが見えるんだけど
ヴェルディの時にはテューバ奏者がチンバッソを持ち替えてました。


つまずいたって、起きればいいよ。

イタリアオペラのピットぐらいでしか使われない珍しい楽器らしいですよ。
間近で見られてラッキーでした。

とても素敵なひとときを過ごせて、本当に楽しかったです。

今回チケットをくださったSN様、本当にありがとうございました。