夕方、電話が鳴った。
『このたびは、結構なものをお送りいただきまして…』
確かに、送ったし、身に覚えもあるのだけど、
声が違う…。
よーく、先方さんの話を聞くと、どうやら娘さん。
『母、亡くなったんです…連絡が遅くなって…』
って、聞いたとたん
『えぇっ!?』って、すごい奇声をあげたと思う。
私って、こんな声、出るんだ、みたいな。
今年に入って、咳が続くので、診てもらったら、末期の肺がんで、手の施しようがなかったと。
5月2日に亡くなったと。
あっという間だったと…。
亡くなったのは、私たち夫婦の、仲人の奥さん。
ご主人が、世帯主の小学校の時の担任で、教え子の関係。
娘さんは、どういう関係かもわからず、電話をくださった。
私が、関係や今までのことを話したら、そうだったんですか…。って。
先生(ご主人)も、長く闘病されていて、亡くなった奥さんは、ずっと看病されていた。
こういう言い方は、どうかと思うが、誰しも、『先生が先』と思っていた。
先生は今、介護施設にあずかっていただいていて、奥さんが亡くなったことを知らないらしい。
というか、亡くなったことを言えない…だから、まだ闘病していると思っていると…。
先生の闘病は、10年くらいになると思うが、奥さんの闘病は、5カ月…。
あっけない…。
なんで? って、思ってみても、仕方ないけど。
電話で話ながら、涙がこぼれた。