昨夜、買物帰りの家まであと数百メートル、今は空き家となってる塀の前に誰かの姿がある。暗い中にぼんやりと幽霊が見えてるのかと何度も見返します。

何でかって、甚平みたいなのを着て地べたに体育座りし、首をガクッと両膝の間に落としている。乱れた長めの髪の毛。悪いけど「私には女の子の幽霊が見えているんだろうか？」と思った。

その姿は異質に見えました。体調が悪いのか、それとも逃げて飛び出してきたのかな？ただ休んでいるのとは違う雰囲気を感じ、声を掛けようか迷います。

正直、スルーしてそのまま帰りたい気持ちもあります。一人ぼっちのこの人を助けないとと、自分と重ねて見ていることにも気づきます。もしかして、今ここで放って置いたら最悪の事態になるかもしれない。

そして得意の罪悪感が私の良心に訴えてきます。

続きます

助けたい気持ちの裏には【前編】