東京と大阪の知事がおかしい。東京は7月に知事選が控えており、都下の全62の首長の内52人から小池都知事の三選出馬の要請があった(8割)と小池がニタニタしている。まるで、8割の都民が小池の三選を支持しているような印象操作。まあ、選挙になれば、52票は硬いだろうが。

 

東京より酷いのが、大阪のイソジン吉村知事、万博に府下の1900の小中高校に万博の学校単位の無料招待に「参加希望」「未定・検討中」の2択でアンケートをとったところ、1280校から回答があり、950校が「参加希望」330校が「未定・検討中」だった。これを受けて、府下の学校の75%が参加を希望しているとドヤ顔で発表した。選択肢に「参加しない」がないのも問題だが、参加希望は全校の50%(950/1900)にすぎない。弁護士や知事は算数ができなくてもいいのか?

 

東京も大阪も知事に睨まれたら、不利益になるので取り敢えず、Yesと答えておこうと言うのもあるだろう。万博については、無料といっても府市の税金が使われる訳で、それが万博協会へ入る。体のいい税金のキックバック! 大阪府民はもっと怒っていい。

 

僕の二刀流(2 of 2)

 

 中学三年の夏、市内の定例の中学校対抗陸上競技大会があった。僕たちの中学からも何種目かにエントリーしたが、四百㍍リレー要員が足りないと言う。そもそも、陸上部の部員の絶対数も足りない状態であったが、陸上部の担当先生が校内で足の速そうな生徒を選抜して、大会にエントリーしてしまった。なんとその中に僕も選ばれていた。確かに僕は、単距離を走るのは得意だったし、五十㍍は六秒六の記録を持っていたが、如何せん、陸上部のユニフォームもシューズも持ってなかった。

 先生にどんな服装で走ればいいのか尋ねたが、何でもいいと言うので、運動会のいで立ちで臨むことにした。すなわち、普段穿いている下着のパンツ、この時はおろしたて、上は下着としてのランニングシャツ、靴は通学に使っているズックは足に合っていなかったので、裸足。

 競争相手は四校五チーム。本町中は生徒数も多く二チーム出していた。勝負は走る前から決まっていた。本町中の選手はピッチリしたシューズと上下のウエアもユニフォームで決めていた。白の短パンの下に黒いものが見える。あとで知ったがこれは「サポーター」と呼び、ナニを固定することと、ワキから見えないようにするために着用していた。

 僕は第二走者だった。四番目でバトンを受け、その順位でバトンを繋ぎ、最終的にはどうなったか覚えていない。とにかく、トラックの中から早く逃げたかった。

 

 その年の秋の運動会、校長先生が開会の挨拶をしたあと、僕が校長先生と入れ替わって、檀上で準備体操をする。これは、その時の生徒会長の役目だった。中には、運動音痴の生徒会長もいるだろうにと思った。それより、体を動かしているいるとき、ナニの据わりが悪い、そうだ、下着用パンツの下には何も着けていないのだ、壇の下から、見えているのではと不安になり、早く体操を終りたかった。

 中学校の運動会の華は、午前の最後の競技「紅白対抗リレー」と午後の最終競技「支部対抗リレー」。この二つのリレー選手はどちらか一つしか出場できなかった。大概は「支部対抗リレー」を優先して選手を決める。このリレーは、通学エリアを四支部(地区)に分け、各支部から小六女子・小六男子・中一女子・中一男子と繋ぎ、アンカーは三年男子でトラックを一周半走る。

 僕は中学生になって毎年この「支部対抗リレー」の選手に選ばれていたが、毎年、通学距離の長い支部のチームに歯が立たなかった。中学最後のリレーでなんとしても第一位をとりたかった。

 と言うのも、小学六年のときに僕たちの支部の選手に選ばれたのは、児童会長をやっていたH君で、その後、H君は他市の私立中学に進学したので、中学生になってこのリレーに参加していなかった。H君がいれば、僕たちの支部は優勝できたかも知れないとか、生徒会長にもH君がなっていたかも知れないと言うライバル心があった。

 去年、僕は二位でバトンを受けて、一位ランナーを追い上げたが、逆転するまではいかず、最終的には僕たちの支部は二位で終わった。

 今年は、アンカーの僕と先頭ランナーとの差が十㍍以内ならば念願の優勝が出来ると臨んだ。乾いた秋の空にピストルの音が響いて小六の女児がスタートした。僕たちの支部の黄色のバトンを目で追った。そして、僕の計算通り、先頭は去年の優勝支部の緑のバトン、黄色のバトンは二位でその差は十㍍もない、僕はバトンの受け渡しラインに立った。

(僕の二刀流(2 of 2)終り)