ついに日曜日、オール・ラフマニノフ・プログラムを聴いてきました。

一日になんと昼夜の二公演!

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指揮 ワレリー・ゲルギエフ
ピアノ デニス・マツーエフ
オーケストラ マリインスキー歌劇場管弦楽団

サントリーホール

現代最強のコンビで聴くロシアの魂

今さらながらパンフの文字を読んだのだけれど
まさにこの通りでした。

次にマツーエフの生ピアノを聴ける機会があったら絶対行こうと思っていたら
ラフマニノフ協奏曲を一日に4曲も弾くという信じられないプログラムと知り、嬉しいのを通り越して仰天したのいつの頃だったか。


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マツーエフは、聴く前から仰天させてくれるピアニストでしたが
聴き慣れていないラフマニノフピアノ協奏曲一番の二、三小節を聴いただけで、音の響きの豊かさと美しさのバランスに目を見張った。

もちろん見た目の通り、素晴らしく音量があるのだけれど、どんな強弱の音であろうと、とにかく響きのある音が鳴り響くのだ。
これだけ豊かな音でありながら、これだけ心地良い音を出せるマツーエフのピアノの音に一瞬にして魅了された。

私にとっては、今回が初マツーエフ。

想像を遥かに超えた。

ダイナミックでありながら、泣けるほど繊細で、かと思ったら協奏曲二番はサラッとクールに弾く。
ゲルギエフ氏のトークショーを聞いてわかったのだけれども、彼の二番には、センチメンタルさは皆無だと。
それが彼の弾き方。
二番は三番と並び、有名過ぎる曲ですが、
確かに歌い過ぎるとくどくなる。

ゲルギエフ氏は四番を一押しなさっていたけれど私にとっては、やはり三番が圧巻でした。

初めて聴いた一番も素晴らしかったし、
二番ももう一度聴きたいし、
1日で4曲も一気に聴いてしまうのは、贅沢で勿体無い気もしました

ゲルギエフ氏の指揮は今回初めてではないけれど
(2009年ユンディとチャイコフスキー協奏曲、マリインスキー歌劇場管弦楽団)
間近で見られた今回は、ゲルギエフ氏の素晴らしさも初めて認識。

ゲルギエフの如何なる動作にも意味があり、
右手、左手はもちろん視線も全身の動きも全て
オーケストラのメンバーが全身全霊で彼の指示、合図を1秒足りとも見逃してはいけないという緊張感。
そして、彼の指揮を見ながらオーケストラのそれぞれの音を聴いていると、コンマ1秒足りともズレることはないのだ。
ゲルギエフの指示で全ての音がコントロールされている。
なんだかなんだか、ゲルギエフ氏凄い!!

右手も左手も、上から下へ下げながら小刻みに震わせる指揮の動作は独特。
(失礼を承知で書きますこの場がコンサートホールでなかったら、アル中と間違われそう )
最初は、不思議過ぎて凝視してましたが、不思議な事にそのうちそれがかっこよく見えてくるのです。
指揮が全ての音を作り出す、生まれる瞬間を目の前で見続けた感じでした。

マリインスキー歌劇場管弦楽団の演奏も素晴らしかった。

ゲルギエフ、マツーエフ、そしてマリインスキー
彼らが創り出す全てからロシアの魂を感じ続け、ただただ感動し圧巻された1日でした。

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↓こちらマツーエフのインスタにて、ラフマニノフピアノ協奏曲三番の感動のフィナーレ部分を聴く事ができます


マツーエフは、「ラフマニノフのコンチェルトは、マエストロ・ゲルギエフとぼくとの代名詞的な存在」だと語る。とりわけ第3番は、13歳から弾き始め、自分の血となり肉となっている作品とか。
(伊熊よし子さんのブログより)


マツーエフが一番愛する作曲家ラフマニノフ
初マツーエフにして、これだけのラフマニノフと、素晴らしい指揮とオーケストラで聴けた事に心から感謝したい。


余談ですが会場内にはロシアで勉強する若きピアニスト達がたくさん

そしてワルシャワに引き続き、今回も何故だか行くところ、行くところで牛田智大君と遭遇しなんだかビックリ。

牛田君もいつの日か、ラフマニノフ4曲演奏に挑戦する日が来るかもしれませんね。


2013年4月2日 デニス・マツーエフ
ラフマニノフピアノ協奏曲2&3番
@チャイコフスキーコンサートホール



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