昨日でトリフォノフの三日連続コンツェルトも終わったようですね。

東京ではサイン会時は写真撮影可だったそうで、もっと写真があがるかと思いきや、思ったより少なめな印象。

コンツェルトを聴きに行った友によると
読響の会員が多く、聴衆の年齢層が高めだったせいでは?との言葉。なるほど目

指揮者さんとトリフォノフお2人並びの正面写真が送られてきたのですが、
照明の陰影境目がお顔ど真ん中にかかり、見事な犯人A,B写真の出来上がり!爆笑

本当に撮影の天才だねにひひ

私の方は、というと
先週トリフォノフのピアノリサイタルへ行ってきました。
{9CF66D10-16E6-488A-8407-1EDF023C0DE9}

愛知県芸術劇場コンサートホールが改装中の為、
会場が日本特殊陶業市民会館フォレストホールというテンションあがらない場所(音響的に)にも関わらず、行く事にしたのはやはりアーティストの今を聴きたいから。

{47F97FF7-50F9-492F-A7C6-0BDB6087B318}

プログラムはこちら↓
{83E4C2EC-D213-4045-9756-FB20981CD3C7}

前半65分、後半ショパンソナタのみの25分

ちょっと変わった編成だな〜〜
と思いながら、2015年ロックダンテロンで聴いたリサイタルが素晴らし過ぎたので、完全に予習無しで行きました。

が、前半プログラムを見ればお分かりでしょうが
かなりのマイナー加減。

前半六曲あるのですが、どこが曲の終わりなのかわからない事もしばしばあせる

と言いつつ、全て題名にショパンがついているように、
ショパンの曲が主題として変奏されている曲が多いので聴いていて、聴き覚えのあるメロディが流れてくるとどこかほっとする気持ちにも。

例えば一曲目のモンポウ
ショパンの主題による変奏曲

こちらは出だしから、ショパンの24の前奏曲の有名な第7番を主題としているので、
あれ?ショパン??などと思うのですが違うのです。

言い遅れましたが、今回のリサイタル
ファツィオリの最新モデルF308が持ち込みされました。
{BBB5C1D8-5921-4A07-86F2-DA6C3022F912}
(お写真はファツィオリジャパンより)

そして、開場直前まで調整が繰り返されたとか。
{3B5BD135-ACB9-40E0-9345-CD79DF7B76B1}
(カメラジャパンアーツより)

ファツィオリの音、生で聴くのは2回目ですが
トリフォノフ君が弾くせいか、とにかく神秘的な音でした。(特に弱音)

ロックダンテロンの時は、スタインウェイのピアノだったのですが、それでもトリフォノフワールド全開!!で
あの時とはプログラムが違うし、会場も全然違うけれど、ファツィオリの音色がより一層、トリフォノフの独特な音楽感を強調&引き出していた気がしました。

一番印象深かったのが、
前半最後のラフマニノフのショパンの主題による変奏曲 op.22

24のプレリュード20番が使用されています。

その使い方の違い、興味深い点がトリフォノフ自らの演奏で教えてくれている映像がこちら↓


ラフマニノフバージョンになると、途端に神秘的というか、怪しげな雰囲気に変わるのが明らか。
曲を説明するトリフォノフが何だかとっても知的に感じられます。

(全編演奏はこちら。2013年)



後半のショパンピアノソナタ(葬送) は
三楽章が良かった

そのまま四楽章のフィナーレを期待したのですが、霞の世界を彷徨う様なあのユンディの感覚が身に染みついていて、私としてはちょっと消化不良。

トリフォノフ、チャイコフスキーコンクールもルービンシュタインコンクールも優勝していて、
そんな事を抜きにしても、生できちんとリサイタルを聴いて素晴らしいと思ったのは確かだけれど、彼のショパンを聴いて、ショパンコンクールでは3位だった訳がわかりました。 

先日ルーカスのショパンを聴いた友が言っていたのですが、ルーカスが今の百倍頑張ったとしても
ユンディのショパンには到底敵わない、と。
ユンディの演奏に対して、酷評ばかりが飛び出てくる相手からの言葉としては、嬉しくもあり、
ただし、その後に続いた言葉が一番言いたい事であるのは充分わかっていますよ。

あ、また話がそれました

トリフォノフの話に戻ります。
偶々昨年のトリフォノフのインタビューを見つけました。

(伊熊よし子さんの記事より)

ラフマニノフはもっとも心に

近い作曲家といえます。

彼の作品を弾くのは、いつも大きな

喜びですね。

美しい旋律、特殊な和声、

精神性の高い音楽は心の深い

ところに響き、イメージが広がります。

ダニール・トリフォノフ (ピアノ)



Rachmaninov is the composer, who is most close to my heart. Playing his music is always a great joy for me. Beautiful melody, unique harmony, music with high spirituality gets to the deepest part of my heart and expands my imagination. ― Danil Traifonov (Piano)



トリフォノフにとって、ラフマニノフは一番心に近い存在だと。
これを読んで納得。

さらに読み進めると、意外な事が書かれていました。
彼の目標は作曲家になる事だそうです。
ここを読んでなんだか更に納得してしまいました。

過酷なスケジュールと、あの独特な音楽世界観、
全てはそこへ通じていたのですね。

26歳ダニール・トリフォノフ
コンサートスケジュールを見ると、日程はさることながら、
次から次へと有名指揮者と一流オーケストラの名前が出てくる。
彼にとっては、これは通過点なのだろうけれど、それにしても凄いな〜〜と思ってしまうワタシだったのでした。
恐るべし!トリフォノフ


{FC5F31CA-C8C4-4C20-9289-F7BE9D077F89}
この精神に感服です

そう言えば、舞台上のトリフォノフ
お辞儀の仕方や歩き方が、若いな〜〜と思いました。
お辞儀がね、左右どちらかの肩から斜めにピョコンと曲げるんです。
なんか凄い演奏の後にあれをやられる
と、可愛いくてクスッと笑ってしまいます。

あれもそのうち見られなくなるのかな?

おしまい