書斎のベランダから西を見ると

 

星越山が見える

この時はちょうど夕陽が沈んでいくところだった

 

私の寝室のベランダから見ると

その星越山の上に立つ弘法大師像が見える

(上の1枚とは違う時に撮った写真)

そしてこの弘法さんの下には

 

蒲郡東部病院がある

母が2017年1月にこの病院に入院し

同じ年の12月に亡くなるまで

私は毎週のように衣類を取り換えにここに通っていた

なぜこんなことを書いているのかというと

昨年の暮れ頃だったと思うけど

本屋で

 

この本を見つけたのだ

星越峠というのは星越山にある峠で

この本はエッセイ集だった

著者の井野佐登という人は女医さんで

市内の医院の副院長をしている人で

歌人でもあるという

それでこの本を購入してすぐに読んだ

巻頭には

 

ここよりは各駅停車となる電車星越峠を越えて海見ゆ

 

という短歌が飾られていた

そう

星越山のトンネルを抜けると

車窓に海が見えてくる所だ

ここまでで終わっていれば

この本をブログネタにすることはなかったと思う

ところが

今月の11日(月)の中日新聞夕刊に

 

この本の書評が載っていたのだ

「へ~」と思ってカミさんに

「この本の書評が新聞に出ている」

と言ったことから

話は思わぬ方へと展開していった

カミさんは

「イノッチ、イノッチ?」

と叫んだのだ

私は何のことか解らずに

「イノッチって何?この人を知っているの?」

と訊いたら

「その人には娘さんがいて

その子が高校生の時に

大学生だったウチの娘が家庭教師をしていて

ウチの娘がその子をイノッチと呼んでいたの」

と言ったので驚いた

昨夜このことを娘にも確認したので間違いない

それだけでなく

その子は我が家にも来て

食事もしていったことがあるという

私には全く記憶がない

1冊の本から

思いもよらない話が浮かんできた

この本の中の

「観覧車」という項の文章を抜粋してみる

 

(前略)

 私は年末の24日、冬休みで帰ってきていた娘といっしょにラグーナの湯に行った。露天風呂から夕陽が見え、海の残照がきれいだ。大観覧車もハーバーのヨットもまだイルミネーションが点いていない。(中略)

 星越峠が見える。星越トンネルを出て東へ走る電車が見え、西へ向かってトンネルをくぐって行く電車が見える。しばらく、往来する電車を見ていた。

 私は、観覧車は「幸福」の代名詞だと思う。

 

このようなエッセイがまとめられた本だ

 

この左端に見えるのが

上のエッセイで描かれていた観覧車で

中央下にラグーナテンボスの照明が見える

右端に星越山が少しだけ入っている

歌人でもある著者は中日短歌大賞も受賞しているという

次のような短歌も掲載されている

 

脚立とは最後にポンと降りるもの脚の捌きのかろかりし頃

 

この歌を借りて私流に詠むと

 

脚立とは最後にポンと降りるもの高所恐怖症以前の私

 

私は脚立に乗るのが怖い

高い所で摑まる所がないともうダメ

高所恐怖症なので

天井の電球の交換なども

息子が帰ってきたときとか

孫が来た時などに頼んでいる

まあこんな私のことなどどうでもいいことだけど

本屋でこの本を手にしたときには

まさか娘さんが我が家と関係していたとは

夢にも思っていなかった

 

今朝もカミさんはウォーキングに出かけていましたが、

帰ってきて、

「今日は風が滅茶苦茶強い」

と言っていました。

そして今は卓球をやりに行っています。