燕は戻って来ない | 温故知新 YEBISU NOTE

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久しぶりに連続ドラマで興味を掻き立てられるのを見つけて、第一回から録画録りして見続けた。否、その前に「正直不動産」もみてたので久々でもないか(笑)


石橋静河が、限界の貧困女性を演じる。北海道から出てきて、東京に夢を持っていたのだろうが、生活は楽にならず悶々とした日々を送っている。


そんな彼女に、突然、大金の入る話が!!!


代理母として見知らぬ男の子供を出産するという契約を結ぶのだ


相手の男は、後進にかっての自分の夢を託しバレエ教室を営む稲垣五郎、その妻は売れっ子イラストレーターの内田有紀、、、



 貧困女性と代理母という大きなテーマがあるのだが、


そんなことよりも、描かれる登場人物の間で繰り広げられる各々の人物のエゴのぶつかり合い、泥仕合を面白く見続けることが出来た!


 メインキャストの3人の中では、一番社会的弱者と思えるのが石橋で、自分の意志や打算というよりもただ単に「生き抜けるカネが欲しい」という1点で、周りの言うなりになっていたようだが、ちょっとしたきっかけで、逆に

周りに対して自分の我が儘を主張していくようになる。それは彼女なしでは進まぬ話であるから、当然なのかもしれないが、おそらく彼女の人生で主役の座を勤めるのは初めてのことなのかもしれない。


 逆に稲垣は世間一般の観点では成功者であるが、彼自身は成功しきれてない思いもあり、何よりも自分のDNAを持つ子供が欲しい。

今の妻との間でそれが無理なら、どういう手段も厭わぬし、カネに糸目はつけない。ただ、日頃の言動も傲慢そのもの。


 内田は稲垣の妻に収まるときはかなり強引にだったようだが、自分に子供が出来ないことや、稲垣の母との関係など家庭問題、さらには、イラストレーターの仕事にも復帰し、やや稲垣と距離をおく状態になっているが、石橋には親密に接している。


 流石、桐野夏生の小説が原作だけあって、各々の心の機微が複雑に絡み合うところが面白いし、

それに加えて、各々が勝手なことばかりいって絡んでくる脇役陣も面白い!ホント人間のエゴの絡み合い、いやエゴの絡み合いこそが人間社会だ!その中でも一際だったのは、やはり稲垣の母親役の黒木瞳のゴッドマザーぶりだ!久々に名優の面目躍如という感じ!


 なかなかヤバい人々達の競演という感じで波乱の連続だったが、最終回はハッピーハッピーウィンウィンで終わる予感はするw