窓際のトットちゃん | 温故知新 YEBISU NOTE

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 最近、アニメ映画を観る機会が増えた。自分、映画を観るときには、感情移入はしないで、あくまで、作者の意図はなんであろうか?ということを考えてしまう傾向がある。

 アニメ映画という生身の人間がでてこない二次元の世界は、結構その見方に向いてるところもあるかもしれない。



 トモエ学園とかがかって存在したことや、その流れを汲む

人達や私立学校があることは知ってたので作品に対する興味は強かった。


 黒柳徹子=トットちゃんの奔放な行動は、普通の公立校に収まりきれる器ではなく、自由が丘にあるトモエ学園に転校する。


今から80年以上前のことである。

早速、校長先生とオーブン感覚の面接をへて、教室に入ってゆくと、生徒たちは各々自分のしたい勉強を始める。絵を描くもの、理科実験をするもの、本を読むもの、さらには音楽で歌い出すものまで現れるのだが、教師が止めることはない。そのあたりは、自分で判断して、自分で決めて行動するという方針が徹底してるように思えた。席も自分の座りたい席に座るということで、窓際はトットちゃん自身が進んで選んだ!

「窓際族」というのは、サラリーマンにはありがたくない呼び方だが、トットちゃんにとっては特等席であったのだ!


 所謂、健常者と障害者が分け隔てなく同じ教室で学び、遊ぶ。互いに尊重し合う精神を幼いうちから身に付けていくということであろうか。


2時間のアニメ作品には多くのエピソードが出てきて、トットちゃん=黒柳徹子の目を通して、彼女が小学生時代を過ごした「トモエ学園」の進歩的な教育方針が一つの柱。そして、もう一つはその時代➡️昭和15年~20年の戦時の真っ最中の日本の世相を描いてゆく。

 そういえば、昨年観た「君たちはどう生きるか」では、いきなり、空襲の様子が出てくるのだが、この作品は、子供にも忍耐や質素倹約を無理強いする様子を描くなどによって、戦時中というものを脳裏に叩き込んでくれる。悲惨さを知るというよりも、戦時関係以外のことも含めて当時の様子をさらりと整理することかできる。中でも、戦時国債募集の掲示は興味深かった。

ただ、ちょっとあまり想像したくない場面が、最初の方にでてきて

やや白けることもあった。→トットちゃんが、ある場所に財布を落とす場面です。しかし、後で思うには、ああいう場面も、トットちゃんとトモエ学園との関係で欠かせないものだったのかも(笑


 この作品は、本当、いろいろな意味であとから染みいってくる作品です。一つは、トモエ学園の考えを支持する人は少数派でしょう。それは、時代か移っても同じだと思います。しかし、作品中に出てくるわけではないけど、この学園の考えを支持する人々はいて、特に首都圏にはいくつかの私立学校とかでも受け継がれているということ。➡️上にも書いたように少数派でしょうけど、個人的にはそういう考えを支持する方ではある。そして、もう一つはやはり、戦時中の日本の様子。実に淡々とした感じで表現されていて、頭にすんなり入ってくる。

なかなかの秀作と表現できる作品だと思いました。


ところで、何十年も前に朝ドラで

黒柳さんのお母さんをモデルに

した「チョッチヤンが行くわよ」というドラマがあったのを思いだした。黒柳徹子さんに当たる人が出てきたかどうかは定かではないが、、、主役を古村比呂さん。その夫→徹子さんの父親に当たる人を世良公則さんが演じていた。

あの時も、世良公則さんは印象的だったと思う。

この作品では、父親を小栗旬さん、母親役を杏さん。そして、学園の校長を役所広司さんが声で演じてたが、特に役所さんが素晴らしかった!