ヤフーのポケットWiFiサービス「Yahoo! Wi-Fi」とは

Yahoo! Japan（ヤフー）が提供するポケットWiFiサービス「Yahoo! Wi-Fi」。宣伝や広告をヤフーで見たことがあると言う方も多いのではないだろううか？

ソフトバンク系列のYahoo! Japan（ヤフー）だけに、ソフトバンクの通信回線を利用した、広範なエリアに対応したWiFiサービスというのが売りのサービス。ただし同様にソフトバンク回線を利用するポケットWiFiとしてY!mobile（ワイモバイル）や、ソフトバンク本体が提供するモバイルWiFiサービスもある。

このページではヤフーのポケットWiFiサービス・Yahoo! WiFiの特徴を解説していきたい。

ヤフーのポケットWiFiサービスの特徴

まずヤフーのポケットWiFiサービスの特徴の1つが、選択できる料金プランやルーターが2種類しかないことだ。

（2018年8月1日に料金プラン名称が改定されたため、念のため新名称と旧名称を併記して紹介する）

• 3年契約おてがるプラン（旧・Y!Fi（ワイファイ）ずーっと得するデータプラン2ライト）：使用するルーター機種「601ZT」
• 3年契約たっぷりプラン（旧・Y!Fi（ワイファイ）データプラン2（4G/LTE））：使用するルーター機種「603HW」

3年契約おてがるプランの料金・利用ルーター

まず月間通信量が少なく、とりあえずポケットWiFiルーターを持ってみたいという場合におすすめとなるのが、Yahoo! Wi-Fiの3年契約おてがるプラン。月間通信量が5GBまでという制限があり、制限を超えると当月末まで通信速度が128kbpsまで低速化されるという内容のため、頻繁に動画視聴をしたり、パソコンなどと接続して大容量のファイルを送受信するようなヘビーユーザーには不向きなプランである（500MBごとに500円の追加料金を支払えば、速度制限を解除し、元の通信速度に戻すことも可能）。それほどインターネット使用量が多くなく、ポケットWiFiをとりあえず持ってみたいという、いわゆる初心者向けの料金プランだ。

月額料金も2,480円と他のポケットWiFiと比較して安めの設定となっているが、「ヤフーのプレミアム会員の場合」という但し書きがある。つまり、ヤフーのプレミアム会員でない場合は注意が必要だ。

ヤフープレミアム会員でない場合は月額料金3,696円と割高

すでにヤフープレミアム会員であるという場合にはおすすめだが、そうでない場合は注意が必要だ。まずヤフープレミアム会員でない場合はYahoo! Wi-Fiの月額料金は3,696円となる。同様に月間5GB制限があり、同じソフトバンクのLTE回線を利用するポケットWiFi「Y!mobile（ワイモバイル）」では月額料金2,678円で利用できることを考えると割高だ。

また、人気のポケットWiFi・WiMAXにも月間通信量7GB制限のプランがあり、Y!mobileと同様に月額料金が実質2,000円台で利用できる。

Yahoo! WiFiの3年契約おてがるプランの契約と同時にヤフーのプレミアム会員になるという手もある。この場合、月額料金2,480円でポケットWiFiを利用できるものの、別途ヤフープラミアム会員費が月額462円請求される。つまり合計の実質負担料金は月額2,942円となり、やはりY!moileやWiMAXの料金プランと比較すると割高だ。

結論で言えば、現時点でヤフーのプレミアム会員でない限り、おすすめしづらいのがYahoo! WiFiの3年契約おてがるプランと言うことになる。

使用するルーターは「Pocket WiFi 601ZT」のみ

他のポケットWiFiではいくつかのルーター機種の中から自分の気に入ったものを選べるのが普通だが、Yahoo! WiFiの場合、各料金プランごとに利用できるルーターが決まっている。3年契約おてがるプランの場合に使用できるルーターは「Pocket WiFi 601ZT」のみだ。

コンパクトでカラフルなデザインが特徴のモバイルWiFiルーターだが、同一機種をY!moileの月間通信量5GBプランでも安く契約できる。つまり、この601ZTをどうしても使いたいという場合でも、Yahoo! WiFiよりもY!mobileでの契約がおすすめなのだ。

唯一、Yahoo! WiFiで契約・申し込みをするメリットとすれば、ルーター端末が最短翌日には届く点。Y!mobileの場合は新規契約で審査が必要となり、ルーターの発送までに数日がかかるのと比較し、Yahoo! WiFiの場合は契約・申し込みの即日発送に対応しており、ルーターの到着が早い点がメリットである。

3年契約たっぷりプランの料金・利用ルーター

おてがるプランと比較して、データ通信量の多いヘビーユーザー向けの料金プランとなるのがYahoo! WiFiの「3年契約たっぷりプラン」だ。月間データ通信量の上限が無いことを売りとしており、また下り最大速度612Mbpsの高速インターネット通信が可能なサービスと謳われている。

ただし、これにも注意事項が多く、まずデータ通信量の上限が無いのは通信モードの1つ「アドバンスモード」利用時のみであり、標準モードでの通信は月間7GBに制限される点だ。アドバンスモードの利用にはルーター本体の設定変更が必要で、誤って設定変更を行わないままルーターを利用した通信を続けてしまい、7GBを超えると厳しい速度制限が発生してしまう。これは3年契約おてがるプランと同様、通信速度が128Kbpsまで低下する厳しい制限で、解除には500MBあたり500円の追加料金が必要だ。

また現時点で「アドバンスモード」利用可能エリアが限定的である点もデメリットの1つだ。どこでもアドバンスモードで接続可能であれば、通信量無制限のポケットWiFiと言えるが、そうではない点に注意が必要だ。同じ月間通信量無制限のポケットWiFiにはWiMAXのギガ放題プランがあるが、こちらはWiMAXの標準通信モードが使い放題となるもの。WiMAXの対応エリアと、Yahoo! Wi-Fiのアドバンスモード対応エリアを比較するとWiMAX対応エリアのほうが広く、実質無制限で利用しやすいのはWiMAXと言える。

利用開始後、3ヶ月はアドバンスオプション料金が無料

Yahoo! Wi-Fiの3年契約たっぷりプランは月額料金3,696円だが、月間通信量の上限のないアドバンスモードを利用するためには別途アドバンスオプションの申し込みが必要で、これには月額684円がかかる。つまり、実質の月額利用料金は4,380円だ。利用開始後、最初の3ヵ月に限ってはアドバンスオプション料金が無料となり月額3,696円で利用できるが、その後、33ヶ月間は月額4,380円を支払い続けることになる。

同様の月間通信量無制限プランであるWiMAXのギガ放題プランが月額料金3,000円台で利用できることを考えると割高感は否めない。つまり、無制限のポケットWiFiを探しているのであれば、Yahoo! Wi-Fiの3年契約たっぷりプランよりもWiMAXの方がおすすめとなる。

ちなみに3年契約おてがるプランにあるような、ヤフーのプレミアム会員の場合の料金割引がないため、ヤフープラミアム会員だからと言ってお得な料金にならない点もYahoo! Wi-Fiの3年契約たっぷりプランの魅力を下げている要因だろう。

使用可能なルーター機種は「Pocket WiFi 603HW」

3年契約たっぷりプランでも使用できるルーター機種は「Pocket WiFi 603HW」と限定されている。約5秒の高速起動や下り最大速度612Mbpsに対応している点が特徴のモバイルWiFiルーターだ。

なお、この機種もY!mobileで申し込みが可能な機種であり、アドバンスオプション料金も含めた月額料金は4,729円となる。603HWルーターを使用したいという方であれば、Y!mobileよりもYahoo! Wi-Fiで契約・申し込みしたほうが安く利用できることになる。

以上、ヤフーのポケットWiFiサービスの特徴を解説した。月間通信量の少ない初心者向けのプランと、月間通信量の多い上級者向けのプランの両方に対応しているように見えて、実際のところは注意点も多く、他のポケットWiFiと比較してお得な料金や使い勝手の良いサービス内容には残念ながらなっていないというのが実状だろう。

＜参考サイト＞

ヤフーのポケットWiFi・Yahoo!Wi-Fiの料金や評判

Yahoo! Wi-Fi公式ページ

人気・おすすめのポケットWiFi「WiMAX」とは

ポケットWiFiの契約を検討している方に、まずおすすめしたいサービスがいま人気のWiMAX（ワイマックス）。

ルーターと呼ばれる小型の通信端末を持ち歩くことで、どこででも、スマホやタブレット、ノートパソコンなどで高速インターネットを利用できるようになるポケットWiFiには、WiMAX以外にもYahoo! Wi-FiやY!mobile（ワイモバイル）、ドコモやソフトバンクなどの通信キャリアが提供するモバイルWiFiルーターなど多数のサービスがしのぎを削っている。

この記事では、WiMAXが人気・おすすめのポケットWiFiである理由を解説する。

事実！WiMAXは契約者数が急増している

まずWiMAX（ワイマックス）が人気・おすすめである事実として、契約者数が大幅に増えていることが挙げられる。

契約者数3,000万人を突破、2018年も利用者が増え続けている人気・おすすめポケットWiFi、WiMAX。

UQ WiMAXが公開している、WiMAX契約者数の推移をみると、

2015年末：約1,800万人

2016年末：約2,500万人

2017年末：約2,900万人

と急速に増加、2018年に入って3,000万人を突破しているというのが最新の状況だ。

つまり、我々の近くにもWiMAXを利用しているユーザーが確実に増えてきているということ。周りでポケットWiFiのルーターを使っている人がいたら「それってどこで契約しているの？」と聞いてみると、さらにWiMAXの広まり度合いを実感できるかもしれない。

他のポケットWiFiでは契約件数を公開しているところが少ないが、唯一Yahoo! WiFiのホームページには「ポケットWiFi 契約数8万件突破」という記載がある。WiMAXの3,000万件とYahoo! WiFiの8万件を比較すれば、どちらが人気のポケットWiFiかは一目瞭然だ。

WiMAXが人気の理由は何？

契約者数が急速に増かしているWiMAXですが、その理由は何だろうか？ここからは推測になるものの、WiMAXがおすすめされる理由を

・通信速度

・料金プラン

・キャンペーン

の3点で紹介していく。

主要ポケットWiFiの中で最速級の下り最大708Mbps

WiMAXの通信速度は、最新機種のルーターを使えば下り最大で708Mbpsのインターネット通信が可能。フレッツ光などの自宅用の光回線の通信速度が1Gbps（＝1,000Mbps）であることを考えると、それと比較しても遜色ない速度というのがWiMAXの魅力の1つになっている。

これと比較して他のポケットWiFiが利用するLTE回線は通信速度が一般的に下り最大150Mbps～200Mbpsと、WiMAXと比べてやや劣る。高速インターネットを利用したい場合におすすめのポケットWiFiとなるのがWiMAXなのだ。

月間通信量が無制限！WiMAXのギガ放題プラン

WiMAXのもう1つの魅力が月間通信量無制限の料金プランがあること。WiMAXのギガ放題プランは月間通信量の制限の無い使い放題のポケットWiFiで、月額料金も実質3,000円台で利用可能。

他の多くのポケットWiFiでは月間通信量5GB制限や7GB制限のプランが多いことを考えると、ルーターを使って動画を見たり、パソコンと接続して仕事で使ったりと通信量が多くなる場合にはギガ放題プランがおすすめとなる。

月間データ通信量に制限があるプランで、万が一5GBや7GBといった通信量を使い切ってしまうと、かなり厳しい速度制限がかかり、その月の間はルーターを使ったインターネット通信がほぼ不可能となる。つまり、通信量を小まめにチェックしながら使うことが必要だ。

これと比較してWiMAXのギガ放題プランは月間通信量の制限が無いため、そのような必要が無い。また直前3日間の通信量の合計が10GBを超えると速度制限が発生するが、普通に利用している範囲ではなかなか3日間で10GBに到達することは無く、また仮に制限がかかったとしても速度制限されるのは夜間のみ、かつ約1Mbpsで通信可能と比較的緩やかな制限という特徴がある。

auユーザーの場合はスマートバリューmineでさらにお得に

さらにWiMAXのメリットの1つが、auのケータイ・スマホの契約がある場合、auスマートバリューmineという割引キャンペーンを利用してもっと安い料金でポケットWiFi・WiMAXを利用できる点だ。WiMAXを追加契約すると申請が可能になるauスマートバリューmineは、毎月のauの利用料金から最大1,000円が割引されるキャンペーンで、これを利用するとWiMAXのギガ放題プランを実質月額2,000円台で利用できる。

他のポケットWiFiでも、月額料金2,000円台で利用可能なプランは少なく、またWiMAXのギガ放題プランであればインターネットも使い放題であるのがWiMAXの人気・おすすめ理由の1つなのだ。

20社～30社のサービス提供プロバイダと新規契約キャンペーン

いざWiMAXを契約する際に重要なのがプロバイダ選び。一言でWiMAXと言っても、同じWiMAXのWiFiサービスを契約できるプロバイダが20社～30社ある。以下、主要なプロバイダやそれぞれの特徴を列記する。

• UQ WiMAX（UQコミュニケーションズが運営、最も有名な本家プロバイダ、ただし料金が高い）
• au（WiMAXはauの公式モバイルWiFiサービスであり、全国のauショップでも契約が可能、ただし料金が高い）
• ビックカメラやヤマダ電機、ヨドバシカメラなどの家電量販店（これらもプロバイダの1つ、こちらも料金が高い）
• So-net、nifty、BIGLOBE（老舗のインターネットサービスプロバイダと呼ばれる会社もWiMAXサービスを提供）
• GMOとくとくBB（4万円以上のキャッシュバックキャンペーンで有名）
• Broad WiMAX・カシモワイマックス（キャッシュバックキャンペーンは無いが、月額料金が安いことで有名）

上記に挙げたWiMAXのプロバイダはほんの一部で、重要なのが「毎月支払うWiMAXの料金プラン」と「新規契約を対象としたキャンペーン内容」が各社で異なる点だ。どのプロバイダも同じWiMAXの通信サービスを提供するため、使用するルーター機種や通信速度、対応エリアにはまったく違いが無いのだが、料金やキャンペーンも考慮した実質負担費用だけは大きく異なる。

また各社の料金プランやキャンペーン内容が頻繁に改定されるため、その都度、最新情報をもとに安いプロバイダを探す必要があるのがWiMAXの契約で面倒な点。ただし、それだけプロバイダ間での競争が激しいとも言え、割安な価格で契約できるチャンスも多いのがWiMAXの魅力の1つなのだ。

参考サイト：

WiMAX比較ナビ

WiMAXの契約数（UQ WiMAXホームページ）