統計資料の読み方 | ビーグル犬ポチⅡとの田舎暮らし

ビーグル犬ポチⅡとの田舎暮らし

2005年8月31日からYahooで開設していましたが、引っ越ししてきました。
老夫婦とビーグル犬ののんびりした田舎暮らしです。

先日、ある研修会に参加した。
講義の中にDV(ドメスティク・バイオレンス)に関するものがあった。

参加者の8~9割が女性。
講師も女性。
当然、話の内容は、女性に偏った内容であった。

最初に講師は、
「DVは、女性から男性に対するものもあるが、
 そのほとんどが男性から女性に対するものである。」
と語った。

その根拠が資料に記されていた次の数字である。
●配偶者間による刑法犯検挙数のうち女性が被害者となった事件の割合(H16)
  傷害・・・95.7%(1,198件中1,143件)
  暴行・・・97.9%(  290件中  284件)
  殺人・・・61.7%(  206件中  127件)

なるほど、この数字を見れば傷害・暴行はほとんどと言ってもいい。
殺人も60%を超えている。
殺人の率が傷害・暴行に比べて低いのは、
追い詰められた女性が犯行に及んだからとの説明。
何気なく聞いていると納得してしまいそうである。

しかし、よく見ると何かおかしい。
●配偶者間による刑法犯検挙数のうち男性が被害者となった事件の割合(H16)
  傷害・・・ 4.3%(1,198件中  55件)
  暴行・・・ 2.1%(  290件中   6件)
  殺人・・・38.3%(  206件中  79件)
と逆にしてみるとおかしいことに気づく。

問題は%ではなく件数である。
女性が起こした事件は140件そのうち79件が殺人。
講師の説明どおり追い詰められた女性がキレた場合、
これほど高い割合で殺人が成立するのだろうか?
(未遂=傷害として立件されるはず)
酒か薬でも飲ませて完全に寝込んだところを襲うのか?

そうでもない限りいくらキレた女性でも体力差のある男性を
確実に仕留めることは難しいのではないか?

私は、この数字の裏には、
立件されていない相当数の数字があると思う。

とかく、説明する側は、自分に都合の良い資料を見つけ出して
それを道具として扱うのである。
(私自身もそうであるので間違いない)
説明を受ける側は、数字に惑わされてはいけない。

その数字の裏に隠れているものをみて判断しなければならない。

数字は嘘をつかないと言われるが、数字を利用するのは人間である。
お役所仕事に限らず人を納得させるときにいろいろな数字をならべ立てる。
しかし、その数字の本質を見抜かなければ結局、術中にはまってしまうのである。

皆さん、くれぐれもご用心を!