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石綿:麻袋再生で10人死亡 堺の5工場付近

毎日新聞 2014年04月15日 07時30分

 アスベスト(石綿)原料が入っていた麻袋を包装材などにリサイクルする工場が戦後から1970年代にかけて堺市内の5カ所以上で操業し、その労働者と家族や近隣住民14人が石綿被害を受け、うち10人が中皮腫などで死亡していたことが「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(古川和子会長)の調べで分かった。会は「被害は氷山の一角」と堺市などに調査を求めている。

 石綿が付着した麻袋のリサイクルは各地で手がけられ、工場は東京や福岡などにもあった。中皮腫の潜伏期間が30~50年と長いこともあり、危険性はほとんど知られていない。

 家族の会の調査によると、被害者が確認されたのは堺市堺区、中区、北区の5カ所にあった石綿麻袋の再生工場で、中皮腫で7人、肺がんで2人、石綿肺で1人の計10人が死亡していた。いずれも労災認定などで、石綿被害であることが確認されている。

 このうち中区土師(はぜ)町2丁にあった再生工場では働いた3人が死亡し、その娘3人(現在53~56歳)も工場近くに住んでおり、石綿の吸い込みによる「胸膜プラーク」が見つかった。堺市北区の工場で働き中皮腫で死亡した女性の娘(59)も胸膜プラークがあった。堺区の工場とは直接関係なく近所に住んでいた女性(当時50歳)は中皮腫で死亡した。

 関係者によると、被害があった再生工場では、石綿が付着した麻袋を石綿製品工場などから仕入れ、手ではたいたり、集じん機を使うなどして石綿を落とし、包丁で裁断して縫い合わせ、包装材として売っていた。労働者や家族は石綿の危険性を知らず、子どもは周囲で遊んでいたという。

 家族の会は、堺市内での石綿の麻袋のリサイクルは、被害があった5工場のほかに、6工場で行われていた可能性があるとみている。

 NPO法人東京労働安全衛生センターによると、石綿麻袋の再生作業をした工場は東京で2カ所、埼玉で1カ所確認され、肺がん患者ら2人が労災認定されている。他に、再生麻袋を椅子の内張りにする作業をした人が中皮腫を発症し、労災認定された事例が東京都台東区であった。

 福岡県内でも麻袋再生作業をした中皮腫患者が労災認定。家族の会によると、大阪市では再生工場が4カ所あったとされ、うち1カ所で働いた1人が肺がんで労災認定された。

 堺市保健所は「被害の実態を受け止め、今後どう対応をするか検討したい」と話している。【大島秀利】