ユーロ圏の一部で最大20%の社債が維持不能-IMF報告書 | 乖離のぶろぐ(*´∀`)吸い込んで応援
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLDQNM6K50YD01.html
ユーロ圏の一部で最大20%の社債が維持不能-IMF報告書

  4月17日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は17日に公表した国際金融安定性報告書で、ユーロ圏の最も弱い国々では銀行以外の企業の社債の最大20%が維持不可能であり、企業に減配や資産売却を余儀なくさせ、投資家の信頼感にさらなる打撃を及ぼす恐れがあると指摘した。

IMFは欧州の金融以外の株式公開企業1500社を対象に分析した同報告書で、イタリアとスペイン、ポルトガルの企業が最大の「過剰債務」を抱えていると指摘。企業セクターの緊張は銀行の資産の質にも悪影響を与える恐れがあると警告した。

報告書は「ユーロ圏の周辺国の企業は信用ブーム期に高収益期待や緩い信用状況を背景に大きな過剰債務を積み上げた」と分析。企業は現在、「ユーロ圏での金融の分裂などに関係した成長鈍化と金利上昇の環境下で、過剰債務の削減という課題に直面している」と説明した。報告書はキプロスとギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペインを周辺国と定義した。

IMFはキプロスへの国際的救済パッケージに約13億ドルを拠出している。これに関連して報告書は「キプロスの動向が波及する可能性は、市場の信頼感の脆弱(ぜいじゃく)性を思い出させる重要なシグナル」だと指摘。「リスクの高まりに対する拒否反応はすべての市場で激しくはないものの、ユーロ圏の一部の資産を処分売りしてあらためて安全資産に投資する動きがあった」とし、ギリシャとスロベニアの国債を例に挙げた。

金融緩和

報告書はまた、各国中央銀行による資産購入などの非伝統的な金融政策の影響を分析し、先進国の戦略が過熱リスクを再燃させると説明。「国際的に潤沢な流動性が存在する状況では時間とともに資産価格の圧力が一段と高まる公算が大きい」と予想した。

さらに、異例の金融手段が需要の支えになっている一方で、長期にわたる低金利と持続的な金融緩和は著しく有害な副作用をもたらす恐れがある」と分析。より良いリターンを追求する米国の年金基金や保険会社による高リスク投資につながる可能性があるとしている。

IMFはまた、資産価格バブルの兆候はほとんど見られないとしながらも、一部の欧州諸国とカナダ、一部の新興国の不動産市場に過熱の兆しがあると指摘した。

原題:IMF Sees 20% of Corporate Debt Unsustainable in Parts ofEurope(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Sandrine Rastello srastello@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/04/17 22:00 JST