http://blogs.yahoo.co.jp/zamasokutei/8021087.html
本日はマダラです。
北海道函館水揚げのものを一匹業者さんからとりました。
手前味噌ですが、測定所でこのようなまるごと検体を処理できるところもなかなかないかと思います。
みなさんの検体も 「そのままもってきてくださいこちらで処理します」 とお願いしています。
(とはいえ実は結構な手間なのです)
キロ1300円で、4.3キロほどなので、割と出費です。これで食べられないと辛いですね。
メスなのでまだいいほうですが、これがオスになるとキロで1800円ほどになるのです。
その差は白子。この金額の差は現在オスは白子をかなりもっているということになります。
さて、ウロコを取って、卸して切り身にします。
頭が大きいので、棄却率が高いですね…
さて、身を測る前にまず 100ml容器にてスクリーニング的に臓器を測定してみます。
100ml容器が割と使える、ということなのですが
前回の鴨の記事を参照してください。
http://blogs.yahoo.co.jp/zamasokutei/7884190.html
まずはたらの肝です。たべる機会も多いようです。
結果はこちら(100ml容器ですので下限値は高い)
時間が足りませんね。参考程度にいたします。
次に、卵巣部分を塩漬けにしてみなさんも好きな「たらこ」を作ります。
みなさんがたべているのはスケソウダラのタラコなのですね。
このマダラのものは皮も硬く、黒く、食べるにもバラコにするしかないようです。
4時間ほど塩漬けにして軽く水洗い。バラコにしてみます。
測定結果はこちらです。
このように検出とはなりました。とはいえCs-137のみ。
入っていたと「仮定」すると11~17Bq/kgほどが予想されます。(あくまでも予想です)
100ml容器にて(高線量のものでないと)やはり絶対的に検体の分母が少ないので
数値がばらつくのはある程度はしょうがないところでしょう。
では以上の結果を踏まえて実際に本体の白身部分にはどの程度の汚染があるのか?
もしくは内臓のほうに汚染が溜まるのか? 検証してみたいと思います。
まんべんなく詰めて測定です。
結果はこちら。
700秒でこのピークです。
食品でこの3本が見えるとやはり身構えます…
43.5±7.18Bq/kg
という結果になりました。(国の基準値の半分以下、ということです)
ただ、個体差もありますので、中には基準値を超えるものがある可能性ももちろんあります。
やはり魚の中でも特にタラには気をつけたほうがいいでしょう。アメリカ産も多くでまわっていますので
わざわざ高い金額を払ってまで国産のタラを買うことはトータルで考えてもマイナスと言えるでしょう。
買ってしまうこと=危険な食品の流通を助けることにもなりますので、
そこは応援とは区別したいところです。漁師さんもタラ以外を是非おねがいしたいところです。
もう一点ですが、上記結果を見ると
どうやらセシウムはやはり筋肉組織に多く含まれるようです。
去年まではよく、なぜ魚の内臓も一緒に測定しないのか?との声もありましたが
実は逆。(上記結果では身の部分の半分以下ということになりました)
セシウムは心筋や膀胱、筋肉の塊のような臓器や筋肉に溜まる。脂肪には移行しない。
これは悲しいことに人体での臓器ごとの測定データとしても残っていることろです。
(ユーリ・バンダジェフスキー博士の本(論文)にもあります)
次回はこのタラにてタラチリを作ってその出汁の測定でしょうか…
※放射能測定での数値は絶対値ではありません。機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、
あくまでも参考値としてご活用ください。この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。また、不検出でも今回の測定が永続的な安全を保障するものでもありません。