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原発に大量放射性廃棄物/朝日新聞調査

2012年05月01日

◆低レベル、ドラム缶67万本分◆

 全国の原子力発電所に、使用済み作業服などの「低レベル放射性廃棄物」が大量に保管されている。朝日新聞の調べでは、200リットル入りドラム缶で67万3344本分にのぼる。東北電力の女川原発(宮城県女川町、石巻市)では、原発内の貯蔵所を増設することになった。

 各電力会社に問い合わせたところ、全国18の原発で、運転開始以来これまでに発生した低レベル廃棄物の量は、200リットル入りのドラム缶で91万5483本分。震災後に東京電力の福島第一原発で生じた分を加えると、さらに膨らむ。

 このうち建屋で使われた衣類や金属類など放射能レベルの比較的低いものは、1992年から青森県六ケ所村の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」で処分されている。しかし、これまでに各原発から搬出されたのは、発生量の26%、24万2139本にとどまる。

 ドラム缶に詰めてセメントやモルタルで固める作業に時間がかかることや、全国に1隻しかない専用船に一度に約3千本しか詰めないという制約も、影響している。

 女川原発では近年、建屋の耐震性を高める工事や、火災が続いたことを受けた防火対策のため廃棄物が増えた。貯蔵所に収容するのは3万本が限界で、2014年度には満杯になる。このため7月には、2万5千本分の貯蔵所の建設を始める。

 関西電力の大飯原発や九州電力の玄海原発も貯蔵所を増設した。玄海原発の担当者は「埋設センターが受け入れないものは搬出できず、当面は原発で保管するしかない」。一方で、「福島の事故を受け、敷地内に置いておける原発は後回しになるかな」(大飯原発)という見方も出ている。(小野智美)

◆島根原発/2万7千本余り◆

 中国電力によると、島根原発(松江市)の保管量は2万7581本分。貯蔵所3棟で3万5500本を収容でき、3月末時点の空き容量は7919本分。1、2号機の廃棄物は、六ケ所村へ搬出するほか、焼却や溶融処理で容積を減らすことで、現行設備で対応できるとみている。

 一方で、3号機の稼働に備え、新たに1棟(容量1万本)を3月に着工し、来年5月に完成する予定。

 保管量は2001年度にピークの2万9306本に達したが、02年3月に敷地内で溶融処理を始めて減少。10、11年度は2万7千本台後半だった。

 六ケ所村への搬出は93年度に開始。搬出量は他社との兼ね合いで決まり、10年度はなく、11年度は1280本だった。今年度は6月4日に616本の搬出を予定している。(斉藤智子)