http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20111201-OYT8T00186.htm
「空洞化進む」 地元衝撃
東芝工場閉鎖 茂原、君津市従業員の雇用懸念
東芝が３０日発表した半導体事業のリストラ策で、茂原市に本社を置く「東芝コンポーネンツ」の茂原、君津両工場を２０１２年度上期中に閉鎖する方針が明らかになった。両工場は合わせて約５７０人の従業員を抱えており、正社員については原則、グループ内で配置転換するとしている。県内では１０月末、茂原市の「パナソニック液晶ディスプレイ」茂原工場の年度内休止と売却が明らかになったばかり。相次ぐ大規模工場の撤退に、地元では産業空洞化の懸念が広がっている。
発表によると、東芝は国内に６か所ある製造拠点を、兵庫、石川、福岡県の３拠点に集約。電力制御などに使うパワー半導体の製造を手がけていた東芝コンポーネンツは生産を終了し、今後は付加価値の高い製品に集中してコスト競争力を強化するとしている。
茂原工場は１９４７年、君津工場は６７年から操業を始め、地元経済にとっても大きな存在。茂原市の田中豊彦市長は「６５年の長きにわたり市の経済をけん引し、発展に大変貢献していただいた企業。誠に残念でならない。先日のパナソニックに続き、国内産業の空洞化が進むのではないか」との談話を発表した。君津市の鈴木洋邦市長も「地域経済や雇用確保の面でも痛手で、誠に残念」とコメントした。両市長とも、東芝グループ内での雇用の継続を今後求めていくとしている。
（2011年12月1日 読売新聞）
【経済ニュース】東芝、円高で３工場閉鎖…１２００人配置転換(11月30日 21:31)
http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20111201-OYT8T00301.htm
東芝北九州工場閉鎖、地元は驚き隠せず
閉鎖が発表された東芝北九州工場
東芝北九州工場（北九州市小倉北区）の閉鎖が判明した３０日、従業員や地元住民は驚きを隠せず、北九州市は対応に追われた。
福岡県豊前市では、子会社の豊前東芝エレクトロニクスへの影響を懸念する声も上がった。
従業員や地元
夕方、北九州工場を退社した男性社員（４０歳代）は「円高や海外とのコスト競争などで、会社も苦しいだろうが、長年働いてきた工場が閉鎖されるのは寂しい」。ある女性従業員は「前から閉鎖のうわさはあり、淡々と受け止めた。（配置転換で）北九州を離れるかは、夫と話し合って決めたい」と言葉少なだった。
近くに住む男性（６５）は「歴史がある工場が閉鎖されると、北九州の今後がどうなるのか心配だ」。従業員らがよく通う焼き鳥店の天野謙次店長（３６）は「売り上げにも影響する。『閉鎖はないだろう』と、口々に話していたのに……」と残念そうに語った。
北九州市や経済界
北橋健治市長は緊急記者会見で、環境産業の振興のため、県、福岡市とともに、「グリーンアジア国際戦略総合特区」を国に申請していることに触れ、「指定されれば、東芝にもビジネスチャンスが訪れると確信している」と話し、閉鎖の白紙撤回に望みをつないだ。
市議会経済港湾委員会の渡辺均委員長は「東芝ブランドが撤退すれば、雇用や経済への影響は大きい。市は重く受け止め、新たな企業誘致にも努力してほしい」と語った。
また、北九州商工会議所の利島康司会頭は「北九州を代表する企業の一つであり、驚いている。北九州の先端技術産業の象徴で、（市の）技術力アップにも貢献していただいた。残念だ」との談話を発表した。
豊前市
豊前東芝エレクトロニクスから減産方針を示された豊前市。市幹部は「従業員が削減されないか、不安だ。大切な企業なので、東芝の製品を積極的に使うなどして支えたい」。この日の勤務を終えた男性社員（４０）は、「何も聞いておらず、驚いた。北九州工場がなくなるなら、将来的に、こちらも閉鎖される可能性があり、心配だ」とこぼした。
（2011年12月1日 読売新聞）