この時期の夕暮れ空の色が好きだ。
赤い空は不吉なんていうけれど、じわじわと変わりゆく赤紫と夜の紺が混じり合っていく様は胸に響いて素晴らしい。
からりとしていて、でも速く歩けば夕方なのに汗ばむ。
もう少し時間が経ったら、窓を開ければ涼しい風も入り込む。
そんなことを考えていると、雲がうっすらとかかって光が滲む月がちらりと目に入り、ふと時計を見るともうすぐ19時半。
瞬きをする間でさえ紺が広がり、ぼんやりしていた月が強い光を放ち始める。
この30分間が好きだ。
ただそれはいつも違う物語で、続きは今日の自分が紡ぐことで明日の物語が生まれてくる。