冷たそうに濡れたホームや電車のライトや遠くの街灯で浮かび上がるゆっくりと地上に落ちてくる雪の粒。
帰りの電車の窓からぼんやりと見える雪景色は、なかなか古くささもあって感傷に浸るには十分だ。
3月3日というと、雛祭りより高校の卒業式を思い出す。
うちは女子高だったので、女の子の御祝いだからと毎年何曜日だろうと卒業式は3月3日に行われていた。
縦の繋がりも横の繋がりもあまりない学校だったので、三年間で思い出の卒業式というとたった一度の自分たちの卒業式しか記憶にない。
当時めったに泣かなかったくせに、卒業証書授与のとき壇上で泣き出してしまい、それを見た友人たちがもらい泣きをしてうちのクラスはハイペースで涙を流した。
もちろんそのあとの校長先生のお言葉だとか市議会議員だかなんだかのおっさんたちの祝辞により、ぐしゃぐしゃだったみんなの涙は楽々と乾いたのだが。
そして卒業式といえば、中学の卒業式には一年生のときから思い出がある。
一年の時は憧れの先輩にわざわざ一ヶ月前に予約までしてボタンをもらい、
二年の時は結局理数科に進んだ秀才の先輩に受験前だからとフラれたくせにボタンをもらい、
三年の時はたぶん本命ではなかった隣のクラスの男の子にノリでボタンをもらい、
…(・∀・)
イイジャン…毎年モラッタッテ…。
でも一番覚えているのは、やっぱり中学一年の時。
あれが本当の初恋だったんだろうなぁ…(。・_・。)
さて、我が家は微妙に東京都ではないせいか、駅に降り立ってみたら雪がジャンジャンバリバリ降っている。
もはや思い出に浸っている場合ではない。
いかにさっさと家に帰って暖をとるかだ。
ちなみに3つのボタンは、今でも実家の『ぽっちーが死んだら燃やしてくれ箱』の中にあるはず。