中央線に揺られていると、途中から少し混んできて目の前に疲れた感じの足の悪いおじいちゃんが現れた。
ぽっちーはのんきに座って吉本ばななのぬくい世界にいたので、急いで立ち上がりおじいちゃんに声をかけた。
「ここ座ってください。」
おじいちゃんはひどく驚いた様子だったが、すぐ顔をくしゃくしゃにして笑いながら、
「いいの?あんたも疲れてるだろうに…ありがとう。」
と言って座ってくれた。
うん、優しいことをすると気持ちがいい、なんて思っていたら周りの乗客の目が冷たい。
ん…?…
おじいちゃんはちょっときれいめなホームレスだったのだ。
まぁ足悪そうだし、ふふ~ん、いいじゃんいいじゃんぷっぷくぷ~、と心の中で呟きながらなるたけ周囲と目を合わせないようにして、笑顔のおじいちゃんと目で会話していた。
(あんたいい子だねぇ。)
(じいちゃんの格好、中途半端だな。)
そんな感じで降りる駅が来たので、ぽっちーはそそくさと降りて仕事場へ向かった。
帰りの電車で、綺麗な身なりをした裕福そうなおじさんが酔っぱらって座席を占領していた。みんな迷惑そうだった。
一体どんな人間が幸せになれるのでしょう、不条理を問うとは一体何なんでしょう、クリスマスのせいかそれっぽい疑問を抱くぽっちー。
嗚呼神様。おじいちゃんはぽっちーの疲労を気にかけてくれた優しい人なのに…。
そっか!多分あのおじいちゃんはサンタさんで、姿を変えて偵察しにきていたに違いない!
ぽっちーちゃん、一応いい子みたいだからプレゼント配布決定!みたいな(´・ω・`)
幸せな生き方って何なんでしょうか。