咬みつき犬プチくん物語《プチを検証》 | ぽちのせんせい

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千葉県を中心にドッグトレーニングのお仕事をしています

及川さんからの依頼を受け

ご自宅へ向かった私だった。

 

果たしてプチはどんな犬なのか?
 

 

お宅へ伺ってチャイムを押し玄関を入るというファーストコンタクト。

この時の犬の動きが多くの情報をくれる。

 

中からインターホンに応じる声が聞こえるが、

チャイムで吠える犬がいる家のほとんどは、

何を言っているのかまず分からない。

 

ドアが開いたが、プチは奥のリビングで吠えている模様。

 

プチが私に咬みつくのでは?

と不安を訴えた及川さんに、

予めリードを着けておくように伝えてあった。

 

プチは

奥に通される私に対して

親の仇にでも出逢ったかのような

けたたましい吠えっぷり。

心配そうにご主人がリードをしっかと握っている。

 

後で聞いた話だが、

プチは以前頼んだトレーナーさんを咬むという

前科があったらしい。

 

ただ、私が見るに

プチの吠え方はあまり怖くなかった。

 

本当にヤバい犬がどんな奴なのか私は知っている。

間違いなくプチは小物だ。

 

そこで私は及川さんにリードから手を離すようにお願いした。

 

離されたプチ。

この場合、

私に勢いよく飛びかかる

と想像する人は多いだろう。

 

しかし、やはり私の想像の通り

プチの動きはというと

 

「うー!!わんわん!!うー!!わんわん!!

とけたたましく吠えるものの、

私からは一定の距離を保っている。

 

近づくと後ずさる

私が後ずさると近づく

ちょっとしたダンスのよう()

臆病者決定!!である。


 

犬がずっと吠えていると

うるさくてお話が出来ないので、

そんな時はリードを私が持つ。

 

それだけで臆病な犬はピタリと吠えなくなる。

 

彼らにとって『一定の距離』

吠えるためには必須条件なのだ。

 

近くに寄せたらいかにも咬みつきそうだがそうではない。

彼らにそんな勇気は無い。

 

もちろんこの時に手で触ろうとしたりすれば、

その手を咬まれる可能性はある。

 

しかし、私は彼らの信頼を得るために

リードは持っていても無視をする。

 

まるでリードの先に犬などつながってはいないかのように。

それが彼らへの礼儀である。

 

こんな時の無視は

「私は君に何もしないよ」という

彼らに伝わる唯一の言葉なのだ。


 

プチを静かにさせて及川さんの話を聞く。


プチはいったい普段どんな悪行三昧をやり散らかしているのか?

 


プチはなでなでされるのが好き 

「俺様が甘えんぼさんでなんか文句あんのかよ!!」