こんにちはMD.Kです。

今回取り上げるテーマは【Amazonのオンライン医療分野への進出が目覚ましい件】です。

Amazonが手掛けるオンライン遠隔医療システムは、すごい事になっています。

これは将来の医療システムを大きく変える可能性があると思います。

 

 

-------------------------------------------------------

最新ニュース:

① 【Amazon pharmacy】 処方箋薬一包化および搬送サービスを手掛けるPill packを買収

 

2018年6月、アマゾンは処方せん薬を飲むタイミングに合わせて個別にパックし、ディスペンサーに詰めて配送するオンライン薬局 Pill packを買収。現在はPill pack by amazon pharmacy というサービスで提供されています。

アカウントと処方箋情報があれば、ネット上で予約する事で、一包化(複数の薬剤を日付あるいは服用時間帯毎に一つの袋にまとめて入れる事)された薬剤が自宅に届きます。薬局に行く必要はなく、日本でも利用可能なようです。

 

② 【Amazon care】 オンラインのヘルスケアサービスを開発するHealth Navigatorを買収

 

2019年10月、AmazonはHealth Navigatorを買収。同社は2014年に医師のDavid Thompson(デビッド・トンプソン)氏によって創業されました。患者とのやり取りのプロセスを標準化する(診療過程標準化)ことを目指しており、健康に関連した訴えや治療内容などを自然言語処理ツールを用いて記録し、アプリに統合するシステムを構築してきていました。これらの技術は現在はAmazonの従業員向けにAmazon careというサービスで試用されてます。
 

-------------------------------------------------------

個人的な感想を述べさせていただきます。

 

① 【Alexa, 今日の薬は?】

これまで病院で処方された薬をもらう為には薬局に行き購入する必要がありました。特に高齢者の場合には医療機関の通院回数も多く、通院は高齢患者さんにとって大きな問題の一つでした。さらに認知機能障害なども伴った高齢者の場合には、服用間違いを防ぐ為に一包化(複数の薬剤を日付あるいは服用時間帯毎に一つの袋にまとめて入れる事)してもらう必要があったのですが、これも時間や手間もかかるという問題点がありました。アマゾンが今回pill pack社を傘下とした事で、特に高齢患者におけるメリットは上記の点の改善が期待できる点でとても大きいと考えます。さらにAmazonは2019年11月にはAlexaに処方管理機能を提供し、アメリカ大手スーパーマーケット Giant Eagleとの業務提携も検討されているようです。Alexaには服薬のリマインド機能や、処方箋の補充を管理させるプログラムが組み込まれており、【Alexa, 今日の薬は?】と問いかけると正しい服用方法を確認してくれたり、処方箋をもらいに行くようにアラートを通知したりしてくれるようになるのです。

 

【病院にかかる前にAmazon careに相談】

Health Navigatorの培ってきた診療過程標準化技術を利用・発展させる事で、遠隔で治療内容について相談する事ができ、医療機関への通院を最小限にすることが期待されます。これらの技術は、現在はAmazonの従業員向けにAmazon careというサービスで試用されてます。患者さん側から考えれば、いつでもどこでも自分の症状に対する治療計画を相談する事ができ、健康意識の向上や、早期の病院受診につながることが期待されます。また医療者側から見れば、医療費削減、無駄な救急要請の頻度減少、医療者の過剰労働防止などのメリットが期待できるかもしれませんね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アメリカで起きているこういったAI/遠隔医療システムの変化のインパクトを感じていただけたでしょうか。

今後病院通院の状況に起きるパラダイムシフトの例を二つあげてみます。

 

【Case1】: あなたは高血圧・糖尿病で病院に定期通院していたとします・・・

・これまでであれば【病院に通院、薬局で薬をもらう】というのが一般的ですよね。

・今後は【簡単な問診はAmazon Care】で相談し、必要時は病院へかかる。【もらった処方箋はPill pack by amazon pharmacy】で購入するので自宅で待機でOK。となるでしょう。

 

【Case2】: 朝起きたら、喉が痛いし咳がでるようになった・・・

・これまでであれば【仕事は休む or 遅刻/早退する】 → 【病院に通院、薬局で薬をもらう】というのが一般的でしたね。

・今後は【簡単な問診はAmazon Care】で相談。様子観察でよければ仕事には行ってしまう。受診必要であれば病院へかかる。【もらった処方箋はAlexa等にお願いすると、近くのスーパーから職場に薬が届く】ので、受診後は直ぐに仕事へ。となるでしょう。

 

のような感じになるかもしれません。国内ではまだこれらのサービスは完全に機能してませんが、利用できるようになる日は近いのではないでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました、気に入っていただけた方はフォロワー登録をお願いいたします。