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一昨日の彼は機嫌が良かった。
だから町を歩こうということになったんだ。
世間話をしながら、気楽に歩くこの感じ。
怒られることにビクつきながら歩くよりずっといい。
「もしお金が少し入ったら、〇〇通りのボロ屋を買って修復したいなぁ。あの場所は高い値が付くはずだ」
うーん。どう考えても10年以上放置されているボロ屋と空き地、修復したからって、そんなに高値が付くとは思えない。
「それ、私は同感できないなぁ。他の場所も見てから決めないの?」
「俺のやりたいことに文句あんの?いいか、俺がやることに文句があるなら離婚だ。出ていけ。日本に帰れ」
結局、この後30分以上にわたり攻撃を受け、くだらない人生を歩むだけのくだらない思考力しか持ち合わせないクズと結婚したことが最大の間違いだった、と、ご機嫌はマックスに悪くなってしまった。
他愛もない会話も、私への攻撃対象となってしまうのか、と悲しい気持ちになる。
文句を言われて言い返せば、今すぐ追い出されてしまう。
だから黙る。
どんなに人格を否定されても、どんなにひどい言いようで攻撃されてもだ。
泣いてはいけない。
泣いたら、もっと怒られる。
もっともっとひどい言葉で脅しをかけてくる。
ただただ耐える。
それだけが解決策。
今回もこの沈黙が功を奏して、1時間もすると彼のご機嫌は少し盛り返した。
そこで、立ち寄った文房具店でノートを買うことにした。
色々種類があって、迷ってしまう。
今日も言葉の暴力を受けたけど、ここは気を取り直して、ノートを買おう!
10~15分ほどたった時だった
「お前に俺の時間を30分も取られて不愉快だ。ノート一つ買うのに30分も使いやがって」
もちろん30分もたってはいない。
でも、ここで言い返せばまた怒られる。
黙っていよう。

この日は、これで凄まじい攻撃は終わった。

そして、今日。
もともと睡眠に障害を持っていて、なかなか眠れない彼。
大切な試験に向けて、眠れる薬を試したり、なかなか神経質になっている。
だから、私もいつも以上に気を付けています。
怒られないように。
逆らわないように。
白いものも黒と言う心持ちで向き合っています。
「お前明日何時に起きるの?」
「7:45には起きるよ」
「8:00以降にして。俺、明日はゆっくり寝たいから」
「あ、ごめん。それはちょっと出来ないな。明日朝から出かけるから…。
「そんなに8時以降に起きるのが嫌なら違う部屋で寝ろ。布団も何も用意はないが、自分で何とかしろよ」
そう。私は彼の実家に居候している。
何故なら彼が無職で、私は外国に移住したばかりの身で生活費を稼ぐことができないから。
彼の実家の勝手はよく分からない。
でも、"自分で何とかしろ"と言った彼が何を手伝ってくれるわけでもなく、どのシーツを使わなければいけないか、を教えてくれるわけでもなく…。
まるで存在しないかのように無視をされる。
ただ私が15分遅く起きることを拒否したから。
でも理由があって、きちんと説明もした。
遊びの予定ではない。
学校なのだ。
外国で生きていくために必要な現地の言葉を学びに行く。
だから私は朝起きなきゃいけないのだ。
でも、今回はマシかもしれない。
きちんとベッドが与えられたから。
思い返せば、機嫌を損ねた彼にベッドから追い出され、床で寝たこともあった。
「俺が眠りについた後に物音ひとつ立てるな」と脅され、部屋に入れず一晩中イスでうとうとしていたこともあった。
だから今回のようにベッドを与えられたのは幸せなことだ。
でも、苦しい。
どうしてこんなに意地悪をされるんだろう。
日に日に増していく要求の強さと横暴ぶりに、何だか胸がつかえて息が苦しくなる。