毎朝、霧がかかって空気も冷たい。
鶏の世話の時間を早めてから、朝の時間をゆっくり
過ごせるようになった。
今朝は、Samが子供達を学校に送りに行ってしまって
独りぼっちになった事もあってか、Busterが鶏小屋に
やって来た。
鶏達を放していてもBusterは追いかけたりしないので、
鶏達も枯葉を蹴散らしながらあちらこちらを忙しく
歩き回っていた。
Dallasと仕事を終えてから、DallasがBusterに向かって
話しかけた。
『Buster、Samは子供達を学校に送ったら帰って来る
からね。あんたは自分のお家に帰るか、あそこの
小屋(Samの家とDallasの家の分かれ道にある)で
待ってなさいね。』
Busterの表情は一瞬にして曇り、踏み出そうと
していた片足を上げたままの状態で暫く固まって
しまった。
暫くしてから、Busterは私達のずっと後をトボトボと
歩き始めた。
Busterが分かれ道に着いた頃には、Dallasが家の方に
向かって歩いて行ってしまったので、Dallasの後姿を
寂しそうに見つめていた。
Busterは分かれ道の犬小屋には行かず、そのまま
私の後ろをゆっくりと付いてきた。
一緒に歩いていると、Samが帰って来た。
帰っては来たのだが、車はDallasの家へ・・・
Busterは、Samの車がこちらに来るかと暫く
お座りして様子を伺っていたのだが、やがて
SamがDallasのお家に入っていたのを察知したのか
腰を上げて、Dallasのお家へ元気よく駆けて行った。
Busterを見ていると、Dallasの言っている事を理解し、
表情をたくさん持っているのに驚かされる。
生き物にはそれぞれ特徴があって、本当に面白い。