亀の湯 | やるせない読書日記

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書評を中心に映画・音楽評・散歩などの身辺雑記
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中学校の同級生に会うと話がどうしても昔のことになる。タカハシ氏は小学校六年まで女湯に


行っていた。タカハシ氏が体をよく洗わないのでお母さんが連れていって洗ってくれた。そこに


同級生の女の子が入ってきて恥ずかしそうにしていたらしい。俺の脳みそに沈殿していた記憶が


浮かび上がってくる。俺もタカハシ氏と同じ第二金乗湯に行っていた。そこで隣のクラスの女


の子がお父さんと一緒に来たことやお盆のお化け映画のポスターが喩えようもなく恐ろしかっ


た。それから記憶はずっとずっと昔にサルベージしていく第二金乗湯はいまでもあるが小学校


以前は線路を渡った遠いところにある亀の湯に通っていた。銭湯も昔はそんなになかった。


東上線から分岐して成増のグラントハイツに資材を運ぶケーシー線という単線が戦後敷設


されている時期があったらしく、枕木が残っている道がありその横に小さな風呂屋があった。


当時、叔父が同居していて銭湯に連れていってくれて指鉄砲を湯船のなかでみせてくれた


ことを思い出した。人間はやさしくされたことは何年たっても忘れないものだ。