のんびりかめさん

のんびりかめさん

東洋医学と西洋医学の両方を学んだ医師として個人的な考えを書きます。ご縁がある台湾のことも書きます。

ひさびさに漢方薬ネタ。

 

ペインクリニックで痛みの診療をしています。

ブロック注射や各種鎮痛薬の使用が基本ですが、

私は自分の強みである漢方薬の併用をご提案しています。

 

特に、慢性の痛みで、年単位で治療をしているけどなかなか改善しない場合。

担当医が変更になったタイミングとかで、

いままで試してみたことなければどうでしょう?、と提案しています。

粉が飲めない、味がムリ、信じてない、などの理由で断られることもありますが、

長くつらい思いをされている方は、少しでも良くなる可能性があるのなら試してみたい、

と言われることが多いです。

 

効果が出る可能性があるのは、

 ・雨の日や寒い日は痛みが強くなる

 ・台風が近づくとわかる

 ・梅雨時がつらい

 ・お風呂に入って温まると痛みが楽になる

 ・(女性の場合)痛みが月経に連動している

 

の場合です。

体に冷えがある、体内の水分の分布に偏りがある、痛い部分の血流が滞っている

ことが、痛みを強くし、治りにくくしている場合があるので、

これらを漢方薬で改善させることができます。

 

劇的に痛みが消えるわけではないですが、

  なんとなく楽になった

  なんとなく良い感じ

  天気が悪い時の痛みの出方がマイルドになった

  玉ねぎの薄皮を剥くような感じで楽になった

という効果の出方です。

痛みが楽になれば、鎮痛薬を減らしたり、なくしたりできる場合もあります。

ブロック治療を卒業できた方もいらっしゃいます。

 

過去には、

  (痛みのある所に)硬くて冷たい金属の板が入っているような感じだったけど、

   プラスチックの板(のように冷たくない、硬くない、重くない)に変わりました、

という表現をしてくださった患者さんもいました。

 

ペインクリニックはブロック注射の点数が高いので、

漢方薬で良くなってブロック注射を卒業すると、病院的には収益が少なくなるのですが、

患者さんにとっては注射しないで済む方が断然いいですよね

 

もちろん、万人に有効、というわけではないし、

漢方薬とて副作用が全くないわけじゃないけど(重篤なものはほとんどないが)

保険適応範囲内だし、試してみる価値は十分にあると思います。