春になると、梨の木にはたくさんの花が咲きます。
そして受粉がうまくいくと、ひとつの花芽から複数の実がつきます。

写真のように、一つの場所にいくつも実がついている状態になります。
これを農家の間では「実止まり(みどまり)」と呼び、受粉・受精がうまくいった証拠です。

一見すると、このまま全部育てられそうに思えるかもしれません。
ですが実際には、この中から最終的に1つだけを残します。

なぜ1つにするのか。

理由はシンプルです。
栄養を集中させるためです。

もし複数の実をそのまま育ててしまうと、
• 一つひとつが小さくなる
• 甘さがのらない
• 形が整わない

といった状態になりやすくなります。

そこで余分な実を落とし、1つに栄養を集めることで、大きくて甘い梨に仕上げていきます。

この作業を「摘果(てきか)」といいます。

では、どの実を残すのか。

実はこれも、すぐには決めません。
もう少し生育の様子を見ながら判断します。

見るポイントは例えば
• 形の良さ
• 枝の位置とのバランス
• 成長の勢い

などです。

焦って選ぶよりも、一番良い状態の実を見極める時間が大切になります。

梨づくりは、収穫の時だけで決まるものではありません。
• 受粉のタイミング
• 実止まりの状態
• 摘果の判断

こうした初期の積み重ねが、最終的な味や形の違いになります。

普段はあまり見えない工程ですが、一つひとつ選びながら育てています。

たくさん実がついていても、最終的に残すのはたった1つです。

その1つにしっかりと栄養を集め、味・大きさ・見た目を整えていきます。

こうした作業の積み重ねが、食べたときの満足感につながります。

今年も丁寧に仕上げていきます。


ありがとうございます。