とにかく明るい性教育【パンツの教室】
インストラクター
ちょうのひろこ です
9月の話なのですが...
実家から大量に送ってもらった栗。
皆さんはどうやって食べるのが好きですか?
私は、栗ご飯や渋皮煮にするのが好きです。
私の母は栗の渋皮煮を作るのがとても上手!
実家にいる時は食べる専門でよかったのですが...
1人暮らしをはじめてからは、夜勤明けに栗の皮を剥き、
これ結構時間と労力がいるのですよ!
子供が生まれてからは、
渋皮煮を作ろう!と思う余裕がなかったのですが、
今年は久しぶりに作ってみました
作りはじめて、ふと
【渋皮煮を作る工程って、体外受精に似てる!】
と思ったのです。
まず鬼皮を剥くことからはじまるのですが、
傷をつけずに慎重に!
ちょっとでも傷が入ると、
(そこから染みた甘さも美味しいのですけどね)
体外受精で採卵する時も皆さんが
毎日痛い思いをしながら頑張って注射をして
大切に育って
卵巣に針を刺して吸引し、
今回、渋皮煮に使用した栗は50個くらい。
虫食いや皮剥きに失敗した物を除くと、残りは30個くらい。
そしてコトコト煮て、型崩れしたものなどを除き、美味しく食べられる状態になる数は25個ぐらいでしょうか。
あんなに腱鞘炎になりそうなくらい痛いのを堪えて頑張っても、残った数は半分です
生殖補助医療(体外受精や顕微受精)では、
生理がはじまると毎日注射をして
卵胞を育てていきます。
年齢や個人差もありますが、20~30代前半の方だと1周期に平均10~15個くらい育ってくるかと思います。
(2~3個の方もいれば20個以上育つ方も)
注射をして育てた卵胞も、
すべてが同じ大きさで育つわけではなく、
未熟卵や過熟卵もありますので、採卵してもエコーで見えていた数だけ採れるとは限りません。
そして採れた卵全てが受精するわけではないのですし、異常受精などもあるので正常受精した数は減ります。
10~15個くらい育っても、採卵で13個くらいに減り、それから培養して正常受精する数は
10個くらいに減り、そこから着床直前の胚盤胞という状態までたどり着くものは5個くらいといった感じです。(これにも個人差があります)
今回注目したのは栗の状態。
卵子って年齢と共に歳をとるって知っていますか?
20代であれば、卵子も20代の若さがあります。
30代、40代であればそれなりに
卵子も歳をとっています。
これ、栗を卵子に例えると20代。
皮も薄くて綺麗な色をしていて黒い部分も少ないですよね。
こういう栗は渋皮煮にした時に、
そして、これは卵子にたとえると30代。
少し色も濃くなって、黒い部分も増えてますよね。
少し皮も厚くなっています。
これは口に入れると、ちょっこ噛み応えがある感じ。
そしてこれ。
これは私、40代の卵子ではないかと思います。
もう全体的に黒いし、
黒くて硬そうな部分が多いですよね。
これは皮を剥いている時から硬いですし、
35歳からは妊娠率も低下してくると言われています。
それは卵子の数も減少し、質も落ちはじめ染色体異常も増えてくるからです。
来院される方の中には、医療技術(高度生殖医療)さえ使えば何歳になっても妊娠出来ると思っていらっしゃる方もいました。
現実はそんなに簡単ではないのです。
皆さんから共通して聞く言葉は
『知らなかったから...』
これってとても悲しくないですか?
10年前に比べて、比較的不妊治療についての情報をメディアなどで見る機会は増えてきたと思います。
しかし、その情報のほんの少しの部分だけを見て信じてしまってはいけないと思います。
40代での妊娠もよく耳にしますが、生殖補助医療を使用したとしても、妊娠率はかなり低いのが現状です。
また流産率も高くなり、出産までと考えると更に低下してしまいます。
もっと女性が自分の体のことを理解出来ていたのなら…と悔やまれます。
私達は学校でも社会でも、これらのことを勉強する機会はほとんどありませんでした。
現在の学校の教育でも、性教育はほんの数時間です。
その中で私達は何を学ぶことが出来るでしょうか?
知識があるかないか。
これでライフプランは大きく変わります。
"生む"ということより
"生むか生まないか"
自分で選択出来るようになってほしい。
日々の生活の中でお母さんから命について伝えられるってとても幸せじゃないですか?
いろんな事を信頼している親と話し合える関係って素敵じゃないですか?
我が家は男の子です。
"男の子だから生理なんて関係ない"
ではないのです!
男の子だからこそ女の子の身体と心を理解して、思いやりのある人になってほしいと思っています。
性教育は思春期から始まるよりも、素直で可愛い反応をしてくれる幼児期からはじめるのがお勧めですよ