ですから、私たち一般人などは、宇宙について何も知らないのも同然なわけです。
本書は、そういう前提に立った、素人に向けた宇宙学入門書です。とはいえ、書いている人は、世界的な宇宙研究者です。
まず、「ウロボロスの蛇」を使って、素粒子学と宇宙学が蛇の頭と尾のようにつながっていることを提示します。10の-37乗というミクロの世界と、10の25乗というマクロの世界がつながっているというのです。
宇宙が素粒子以前の世界から「ビッグバン」が起こり、膨張し続ける、その過程そのものが、素粒子学と宇宙学を結びつけるのです。ミクロとマクロは正反対のものではなく、まさに連続しているのです。
宇宙の成分についての説明の仕方も興味深いです。そこにあるからというのではなく、それがないとその現象が説明できないからということから存在を探し出すというやり方です。
結果、人類が理解できているのは、わずか4%ほどの物質にすぎず、宇宙の大半を占めている「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」などについても、ごく一部のことしかわかっていないのです。
宇宙を説明する最近の「ひも理論」では、宇宙は10次元とも言われており、3次元でしかものごとを把握できない人間にとっては、文字通り宇宙は理解を超えたものなのです。
「宇宙は何でできているのか」は、人間の存在論の問題に深く結びついていることがわかります。
最後のほうで、宇宙は膨張し続けるのか、膨張が止まるのか、縮小し始めるのか、という3つの議論が提示されています。この議論を読んでいると、宇宙はある瞬間にふっと消えてなくなるのかもしれないと思ったりします。
本書によると、宇宙の研究もどんどん進化をしているようです。今後の研究の成果にも注目したくなります。
卑近な問題に悩んだら、たまには宇宙論を読んでみるという手があります。スケールの大きさや問題の奥深さなどに思いを馳せると、日常生活も違った視点で見られるかもしれません。
★4つ ★★★★☆
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